オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

クアラルンプールの雨

マレーシアのクアラルンプールで、友人と待ち合わせて休暇を取ったことがある。

クアラルンプールでは、アジアの新興都市の熱気とエネルギーの大きさに圧倒された。そのあと思いがけなくインドネシアで働くことになったが、マレーシアの方が数倍も発展している(インドネシアには申し訳ないが…)。便利でなんでもある割に物価が安いので、移住する日本人も多いらしい。

 

マレーシアにはさまざまな人種がいる。

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上:中国語で書かれた屋台 下:マレー風?

KLはアジアのハブ空港になっているのか、空港内を私がうろうろしていると、大量のインド人、バングラデシュ人、スリランカ人があふれ、マレーシア人じゃない人たちで大大大混雑。町中も同様。皆さん、仕事をしに来るんですかね。

 

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「ゲート」という日本語表記もある

マレーシア滞在中、マラッカとクチンへ行ってみた。マラッカはマラッカ海峡で有名だ。中東から日本へ石油を運ぶタンカーが通る。日本へキリスト教を伝えた、フランシスコ・ザビエルが生涯を閉じた地でもある。

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観光客用のリキシャ

上は、マラッカで客待ちをしていた、観光客用のリキシャ。日本でも鎌倉などで見かけるヤツだ(って、ここまで派手ではないが…)。

クチン(猫の意)はマレー半島ではなく、ボルネオにある町だ。インドネシア人に「ボルネオへ行ったことがある」と言ったら、「あれはカリマンタン島というんだ」と返されてしまった。あの島の南はインドネシア領なのだが、サラワクと呼ばれる北部はマレーシア領。そしてさらに北部にブルネイ・ダルサラーム国がある。一つの島に3つの国が存在するのだ。ややこしい。つまり、ボルネオとはマレーシア領カリマンタンとはインドネシア領

なぜクチンへ行ったのか。それは、猫博物館があるからだ(←猫好き)。しかし、クチンの観光局で猫博物館の資料をもらおうとしたら、「オランウータンの方がおすすめ」と言われてしまった。

 

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クチンのオランウータン保護区

オランウータン保護区内は勝手に歩くことが出来ず、ちゃんとレンジャーさん(ガイドさん)が同行することになっている。猫を見に来てオランウータンを見る…か。

 

話はKLに戻る。

待ち合わせをした友人のサイード君は、以前KLで働いていたことがあるので、ここは勝手知ったる町だ。夜に町で待ち合わせてご飯を食べることになった。屋台で食べたのだが、熱帯特有のむわ~んと湿った重い空気の中、カラフルな提灯が下がり、しゃべる人喰う人料理を作る人運ぶ人。強烈な悪臭、炒め物臭、果物臭。人間と食べ物臭の一大ごった煮。

さすが熱帯の国…と圧倒されたが、翌日にペトロナスタワーやら観光スポットをめぐり、大都会クアラルンプール!!の一面にも驚いた。マレーシアは石油や天然ガスやら天然資源があるので、お金がうなっているんですかね?東京にはない、若い人口と経済発展の勢い。うらやましいですなあ。

 

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左はセブンイレブン様。中はレストラン。右はドリアン売り場

私は海外に行ったら現地料理を食べたい派だが、食べられなくても大丈夫。我らがセブンイレブンもあります。海外で知っている店を見つけると安心する。真ん中の写真はレストラン。ぶら下げた野菜が邪魔そうだ。

中華系住民が多いので、中国料理ももちろんある。

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マレーシアのチャーハン

ホテルのエレベーターの中に、こんな注意書きがあった。

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ドリアン禁止

禁煙よりも先に「ドリアン禁止」が記載されるのか…。しかし、マレーシアで初めてドリアンのにおいをかぎ、この意味がよく分かりました。皆さん、エレベーターの中ではドリアンを食べてはいけません。

 

くだんのサイード君だが、彼は業務で来日した際に日本がいたく気に入ったそうだ。日本へ転職しようといろいろ情報を集めたらしいが、イスラム教徒が日本で働くのは難しく、英語も通じない。しかしアジアに住みたい…ということで、「日本に近い国」マレーシアを選んだ。何年かKLで働いたが老親が体調を崩したため、母国サウジアラビアへ帰国することになった。

日本で働きたい外国人は結構いるのではないかと思うが、いかんせん日本語が難しいし、外国人が長く日本に住めるような制度になっていないので、マレーシアのような外国人が住みやすい国へ流れてしまうんだろう。

 

イード君が「市内にとても上手なマッサージの店がある」と教えてくれたので、私も行ってみた。彼は休暇前、会社で鬼のように仕事をこなし、ポンコツ上司の仕事をやり、なのに残業が終わらず、休みも取れず、疲労がたまっていたらしい。(どこの国もサラリーマンは辛いよ。お疲れ様です)

イード君に同行してKLにやってきた、彼の3人の友人(イラク人、パレスチナ人、ソマリア人)もこぞってそのマッサージ店へ行ったらしく、口々に「体が楽になった」と言う。(サウジでもマッサージくらいありそうなもんだが)。

 

行ってみると、バリ島などにありそうな、女子が好きそうなキュートな外観のお店だった。(ここにサイード君たちおっさんが来たのか…と微妙な気分)。

その日は天気が悪く、雨が降り出しそうだったせいか、お客さんがあまりいなかった。さっそくお試し60分コースを選び、奥に通される。バリ風?の薄暗い店内には、何やら良い香りのお香が流れている。私は窓のそばのベッドで施術されることになった。

担当してくれたのは、髪を短く切った可愛らしい若い女性だった。片言の英語でゆっくりマッサージを始めてくれる。優しくマッサージしてくれているが、気持ちよくなってきた。そのうちに、私も疲れていたのか、うっかり眠り込んでしまった。

 

気づくと、窓の外は雨が音を立てて降っていた。うわ、すごい雨だな。

と思っていると、マッサージ師さんが話しかけてきた。

「どこから来たの?」

あ、私がマレーシア人ぽくないから聞くわけだね。

「私は日本人。あなたはマレーシア人?」

垢ぬけない彼女の様子から、マレーシアの田舎出身なのかな、と私は推測した。

「私はタイから来ました。」

そうなんだ。私はちょっと驚いた。タイはアジアの中でも経済発展しているイメージがあった。マレーシアに働きに来るのか。

彼女は片言の英語で、タイに残してきた家族のことをぽつりぽつりと話した。この若さで一人でマレーシアに来て、寂しいだろうね。うんうん、と相槌を打ちながら聞いていると、彼女はまた私に言った。

「あなたは日本から来たんですよね。」

そうそう。

「日本か。いいなあ。」

え?日本がいい?私はまたびっくりしてしまった。

彼女は、いつか日本へ行ってみたい、と夢見るように話した。私はなんだか複雑な気分になった。サイード君もそうだが、日本で外国人が働くのは至難の業だ。日本は夢の国ではない。

たどたどしい彼女の英語を聞きながら、どうか彼女がタイの家族のもとに帰れますように、タイで幸せな生活を送れますようにと願った。雨の日には、時々そのマッサージ師さんのことを思い出す。