オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

スク―寺院とチュト寺院

インドネシア・ジャワ島は、インドからヒンドゥー教、仏教が伝わり繁栄した地だ。インドネシアってイスラム教の国じゃないの?と思うかもしれないが、それは現在の話。世界遺産のボロブドゥールはジャワ島中部にあり、世界最大の仏教遺跡となっている。

 

歴史を感じるこの地域が好きで、私は週末などを利用して何度か弾丸観光で訪れた。同僚たちに「ホント、人が行かないようなところが好きだねえ」とあきれられたが、いや、私の方が聞きたい。どうして歴史好きな人がいないんですかねえ…。というわけで、必然的に一人旅となる。

 

まずソロに移動。この町の近くにあるサンギランという場所で、ジャワ原人の骨が発掘された。サンギラン博物館でジャワ原人の骨やマンモスの化石を見る。そのあと、逆方向へ移動し、山の上にあるチュト寺院と、スク―寺院を見ることにする。今回の旅はこれが目的。

後に分かったが、ジャワ島中部のヒンドゥー教遺跡たちはたいてい山の上にある。運動靴を履いていてよかったが、いかんせん日頃の運動不足がたたり、坂を上ると息が切れる…。

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ネギ畑を下に見ながら山頂へ

この寺院は、インドネシア最後のヒンドゥー教王朝、マジャパヒト王国時代に創建された(1473年)と言われている。

マジャパヒト王国か…。インドネシアの遺跡について新聞で読んだり観光情報を読んだりするたびに、あ~中高の世界史の授業でやったような記憶が…と昔の記憶を手繰り寄せるのだが、全忘れ。もっとちゃんと勉強しておけばよかったんだけど、まさか大人になってからインドネシアに来ることになるとは想像もしていなかった。

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マヤ文明みたい…って行ったことはないんですが

ここは寺院、つまり神聖な場所なので、そのまま寺院に入ってはいけません。入口で腰巻(白黒の市松模様だったりする。バリ島の仏像がよく腰に巻いているヤツです)を借りて、それを腰に巻く。確かジャカルタ郊外のヒンドゥ教寺院へ行った時も、腰巻を巻いて入場した記憶がある。寺院の入り口に、腰巻を貸し出すおばちゃんおっちゃんがいます。

 

山頂なので空気は澄んでいて、歩いて登ってきた身には心地よい。しかし、どうして山の上にヒンドゥー教の寺院があるのか?

ガイドさんによれば、後からやってきたイスラム教勢力にヒンドゥー教徒たちが山の上へ追いやられた説もあるし、より神様に近い場所へ、ということで山頂へ移動した説もあるという。

インドはインドネシアから見て西方にあるのだが、インドネシアの西から東へ仏教とヒンドゥー教が伝播していったと考えると、後を追うように西方から入ってきたイスラム教がインドネシア東方へ広がっていくに従い、ヒンドゥー教もジャワを逃れ東のバリ島へ渡っていった、ということなんでしょうね。

ちなみにインドネシアで最もイスラム色が強いのは、最も西方に位置するアチェ州。東は歴史上のあれこれもあり、キリスト教徒が多い地域が結構あります。

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特徴的な狭い門

最も神聖な場所は寺院の一番奥、ということで、観光客はこれ以上奥へは入れなかった。ここから先の一番奥には祈りをささげる場所があり、バリ島から来たヒンドゥー教徒が供物を持って中に入り、先祖に祈っていた。多分、彼らは普通のバリ人ではなく、王族とか昔の偉い人の子孫なんでしょうね。ジャワ島の田舎にバリ衣装を着用したバリ人が突然出現したのに、ちょっと驚きました。

ガイド氏によれば、バリ島に追いやられたヒンドゥー教徒にとって今もこの地が神聖な土地なので、ここに住んでいた祖先の供養も含め、ジャワ島まで祈りにやってくるのだという。

 

車に戻り、さらに田舎道をひた走る。スクー寺院もチュト寺院も、ラウ山(標高3,270m)の麓にある。麓って言っても1,000mくらいの標高があるので、涼しいくらいだ。

チュト寺院のできた背景だが、ジャワ島は精霊崇拝というか、自然信仰がある。それがヒンドゥー教や仏教の影響を受けながら、このような寺院が出来たようだ。地元の信仰と仏教・ヒンドゥー教がごっちゃになるこの感じ、日本人には違和感がない。

 

そういえばインドネシア人同僚と話していたら、彼はジャワ島の自然信仰に大変興味があると言う。「どんな信仰?」と聞いたら、「日本の神道みたいなものだよ」と言っていた。

そんな話を聞いた後、インドネシアの雑誌を読んでいたらこんな記事を発見した。中部ジャワに住むインドネシア人のおじさんが、身分証を申請する際に「自分の信じる宗教:自然信仰」と書いて申請したら、市役所の人がその宗教を知らず、適当に「イスラム教」と書いて身分証を作ってしまった、というもの。自分はイスラム教徒じゃないんだが…と困惑している、ということだったが、このおじさんもジャワ島の「神道」を信じているということなんでしょうかね。

 

規模は小さいが、公園みたいで私は結構気に入りましたよ。

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意外に多くの観光客が来ていた

ヒンドゥー教の物語の登場人物や動物などをモチーフにした石像たちがあちこちに。

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神鳥ガルーダなど物語の動物たち

山の上だし、大都市から遠いので観光客があまり来ないだろう…と思っていたが、地元の人もまったりくつろいでいる。寺院だが先ほどと異なり、腰巻おばちゃんもいない。の~んびりした空気が流れている。座ってイモでも食べようかな。

 

ジャカルタに戻ったら、フランス文化センターが「マジャパヒト王国の遺跡を訪ねるツアー」とかいうのを、歴史学者の講師同行で開催することを知った。もっと早く言ってくれ~。

次の記事も、中部ジャワの観光についてもう少し書きます。