オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

ジャカルタの外国人

 

大体、その国の首都にはたくさんの外国人が住んでいますよね。

インドネシアもしかり。

 

ジャカルタのタクシー乗り場でのこと。

タクシー乗り場へ行ったら列ができていたので、列の最後尾についた。

私の前には客が2人しかいなかったので、すぐに乗れるだろうと思いながら待っていると、なかなかタクシーが来ない。

渋滞してるのかな、遅いなあと思いながらぼんやり通りを眺めていると、私の前で待っている中年男性が後ろを振り向いて、私の顔を一瞬見た。

私は(あ、この人、私の顔をちらっと見たな)と思ったが、黙っていた。

すると、おじさんは再度振り向いて私の顔を見た。

(この人、私を二度見したな。何か気になるのか、言いたいことがあるんだろう)と思ったが、知らんふりをしてタクシーを待っていた。

 

三度目、おじさんは振り向いて、私に話しかけてきた。

「ハロー。僕はシンガポール人なんだ」

ほら来た!

私がインドネシア人っぽくないので、外国人と思って話しかけてきたな。(だからインドネシア語ではなく、英語だ。)(いや、シンガポール人だから英語しかできないのか?)

 

英語で話しかけられたので、とりあえず英語で返す。

「そうですか。」

だって突然、見知らぬおじさんに「僕はシンガポール人なんだよ」と告白されても、そうですかとしか返事のしようがない。シンガポールへ行ったこともないしな~。

 

おじさんは私に尋ねた。

「君は韓国人かい?」

なるほど。おじさんが私の顔を二度見した理由がようやく分かった。

自分の後ろにインドネシア人らしくないヤツがいるぞ、と思ったんだろうな。東アジア人らしいが、中国人ではないようだ、と。

しかし、そこで韓国かい。惜しいな。日本が出てこないところが少し残念。

 

この人の質問の意図が分からないので、とりあえず、自分は韓国人ではないと伝える。

「いいえ、違います。」

私の返事を聞いたおじさんは、破顔一笑した。

「そうだよね!だよね!君はやっぱりインドネシア人だよね!そうだと思ったんだよ~」

おじさんは納得した様子で、いや~そうだよね、やっぱりインドネシア人だったね、そうだそうに決まってる、と自分に言い聞かせるように繰り返す。

 

え?

私は面食らった。誰がどう見ても、私はインドネシア人に見えないと思うが?

せっかく「韓国」といい線まで来たのに。おじさんが私のことをインドネシア人と勝手に誤解してしまったので、慌てて訂正する。

「違いますよ。私はインドネシア人じゃありません。」

というと、おじさんは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。

「へっ?」

「私は日本人です。」

というと、おじさんは固まってしまった。そういやあ、そんな国があったか!という表情だ。

いや、こっちこそ聞きたいよ。どうしてインドネシアと韓国の2つしか思いつかないの?世界にはたくさん国があるだろうに。確かに日本はインドネシアからは遠い国だけどさ。

そのあと、おじさんは私が日本人であるという衝撃?のせいか、口数が少なくなってしまった。なんなんだよ。

 

インドネシアには大勢の日本人が住んでいる。2万人!の在留邦人がいるという話だ。

しかし、日本人よりも在留者の数が多いのは韓国だ。(中国人はさらに多いが、それはインドネシアと中国の歴史的関係が長いためだ)。

 

韓国人の友人によれば、

「韓国は日本より人口が少なく(5,000万人くらいだそうだ)、市場が小さい。だから韓国人は英語やインドネシア語を勉強して、最初から海外を目指しているんだ。」という。

インドネシア大学などのインドネシア語コースは、韓国人学生やビジネスマンであふれていると聞く。インドネシアに3,4年住んでいてもなかなかインドネシア語が上達しない日本人は多いが(私もその一人)、韓国人は韓国で仕事が少ないからか、海外で一旗揚げよう?という意気込みがあって語学習得への真剣度が違う。

 

韓国企業もインドネシアで頑張っているが、それだけではない。

インドネシア人に韓国に対する興味を持ってもらおうと、韓国大使館も力を入れてイベントをやったり、韓国留学や韓国旅行を宣伝したりしている。何とか韓国経済振興につなげるべく、だ。

もちろん、韓国のイケメンスターや音楽グループはインドネシア人女子の心をつかんでいる。官民挙げた総力戦という感じだ。

こういうのを見ると、日本はまだ経済力にあぐらをかいているというか、のんびりしているというか、韓国の方が本気度をひしひしと感じる。

そうか、これだけ多くの韓国人がインドネシアに住んでいるから、私も韓国人に間違われたわけだな…。

――

ジャカルタで知り合ったフランス人の女の子がいた。彼女はアジアが大好きだという。

アジアに興味を持ったきっかけは、広島観光だったらしい。お好み焼きが美味しく、日本が気に入ったので、次はワーキングホリデーで日本へ来た。

日本で働くうちに「アジアの方がフランスよりチャンスがたくさんある」と気づいたので、フランスへ帰国後、改めてアジアで働く機会を探した。良い仕事を見つけたので、インドネシアに来たのだそうだ。

 

「ヨーロッパは古いしきたりや古い制度がたくさんあって、若い人はチャンスを与えてもらえないのよ。上の役職はみんな中高年ががっちり握ってるし。アジアでは、新しいことや面白いことに挑戦する機会がいくらでもあるし、若い人でも活躍できるから楽しいの。」

 

ふーん。日本社会より多少なりとも進歩的かと思ったが、フランスもいまだにそういう感じなんですね。

彼女は好奇心旺盛な子で、「この前スマトラユンボに乗った」などと話していた。土木関係の仕事をしているらしい。会うたびにアジアっぽくなっていくので、見てて面白い。

 

こんな感じで、ジャカルタで知り合った外国人の友人は、インドネシアにビジネスチャンスを見出している人が多かった。アフリカもビジネスチャンスはあるが、インフラが不十分だったり情勢が不安定だったりと、まだまだ発展の先が長い。その点アジアなら政治は安定しているし、アフリカよりはビジネスがしやすいのだろうなあ。

 

でもねえ。

韓国やフランスの話を聞くと、日本はこれからどういう国であるべきなのか、考えさせられてしまう。自分の国に仕事がないから海外へ行く、というのが一番悲しいですよね。

 

ジャカルタに住んでいると、食に関しては日本企業が大奮闘しているのが如実に分かる。韓国系チェーンレストランはあるけれど、日本のレストラン関連企業による怒涛のインドネシア進出にはまだまだ及ばないんじゃないですかね。

インドネシアは若い国だけあって、若い人は誰もがじゃんじゃん起業している。あれを見てると私も気軽にできそうな気がします。実際、大学生の頃に起業してインドネシアを代表する企業になったケースもたくさんある。

 

有名な日本レストランチェーン店が次々にジャカルタにオープンする中で、インドネシアも負けていない。毎日のように新しいサービスやアプリ、店やモールが立ち上がり、町をにぎわせている。さながらベテラン日本勢VS若いインドネシア勢、という感じだ。

こういう熱気は、残念ながらもう日本ではあんまり感じられなくなったし、フランスのような古い国から来ると、活気のあるアジア生活は楽しくて病みつきになっちゃうのかもですね。私も結局なんだかんだ言ってジャカルタ生活が楽しかったわけです 笑。