オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

アフリカのわいろ

 

「賄賂(わいろ)」と聞くと、ほとんどの日本人、いや全世界の人はネガティブなイメージを持つはずだ。

日本で報道されるような賄賂は、大体巨額のものが多い。

政治家が何かの便宜を図ってやる代わりに、企業から賄賂を受け取る、とかね。

有名どころでは、リクルート事件とかロッキード事件とか。

 

何かと生活が大変な途上国にも、巨額から小銭まで賄賂は存在する。

 

こういう国に行くと、小銭で融通や便宜を計ってもらうことがよくある。

社会で快適に生活するコストとして発生する、という感じ?

賄賂というより、「罰金」「心づけ」「通行料」といった位置づけでしょうか。

もちろん、法で定められた正規の料金(または罰金)ではないので、不正は不正なんですけど。

 

今日は、そんな「賄賂」または「心付け」?についてのお話。

途上国へ行った人なら、私の気持ちが分かってもらえるはず。

 

コートジボアールでは、クリスマスや新年など物入りの季節になると、警察ががぜん張り切って仕事を始める。

例えば、普段はやらない検問などをやり始めるのだ。

 

タクシーに乗っていると、「検問」が発生していて車を止められる。

警察官に「窓を開けるよう」手まねで指示される。開けると、

「身分証を提示しろ」

と、横柄な警察官に言われる。

私は外国で暮らすときは、24時間身分証を携帯している。

いちゃもんをつけられないよう、自衛のために持っているのだ。

 

タクシーの運ちゃんは、なぜか運転免許証を持っていない人がいる。

(たまたま携行していないのか、本当に無免許なのか?)。

そこで警察官は、免許証を携行していない運転手から「罰金」を取り立てるのだ。

この「罰金」は、警察官の懐にまるまる入る。

不届き者を取り締まれば取り締まるほど、警察官の稼ぎになる。

 

つまり、年末年始などお金が必要な季節になると、小遣い稼ぎとして警察官が検問を始めるのだ。

ま、警察官も薄給だからねえ。

(←だからと言って警察官が悪いことをやるのはいかがかと思うが)

免許証を携行していないタクシー運転手は、警察官にいくらかを渡して見逃してもらっていた。

 

なるほどねえ。

この「検問」は公的なものではなく、単なる警察官の小遣い稼ぎ。

タクシーの運ちゃんも、「お金さえ渡せば見逃してもらえる」のが分かってるわけだ。

だから「すみませんねえ」などと卑屈に笑いながら、警察官に罰金を支払っているんだなあ。

 

ここで厄介なことがある。

検問が「警察官の小遣い稼ぎ」であって、公的なものではないことは誰もが承知だ。

しかし不正なお金を払いたくないからと言って警察官に抵抗すると、トラブルになる。

「罰金」の支払いを拒否すると、「国家権力に反抗した」といってさらに多額の罰金を科せられたり、逮捕されたりするのだ。

 

これが分かっているので、運ちゃん達も「とりあえず罰金払えばいいんでしょ」と半ばあきらめているのだ。

中には、タクシーの中に「警察対策用」の小銭を準備している運転手もいる。

さすがだ。

(私の感覚では、こういう「捨て銭」は、強盗対策用だが…。

運転手からすると、警察官も強盗みたいなもんなんだろう)

 

そこで、外国人である私の疑問。

賄賂、いや「罰金」の相場はいくらなんだ?

 

私は好奇心から、運ちゃんたちがいくら警察官へ支払っているのかチェックするようになった。

(正規の罰金じゃないので、法律で定められた金額は無いわけです。)

私の調査によると、コートジではだいたい一回500円くらいが相場だった。

 

注:「500円」と書きましたが、500CFA(現地の通貨セーファーフラン)が一番多かったです。

500CFAフランは厳密には約100.37円ですが、現地の感覚から行くと500円くらい。

ということで「大体500円」と書きました。

 

主食であるアチャケ、揚げ魚(玉ねぎトマト付き)のランチが300円くらいとすると、賄賂に500円。

金額は少なすぎず多すぎず、絶妙という印象。

長い間の警察とのやり取りで、この金額に落ち着いたんだろうな。

賄賂とはいえ、ちょうどいい金額に感動?する。

――

別の国を見てみると。

南アフリカでは、警察官による怪しい「検問」を見たことがなかった。

私が住んでいた時は南アの治安がとても悪かった時。

武装強盗が何億円も強奪する事件が毎日のように発生する国で、警官が小銭稼ぎやってる場合じゃないよね。

 

どれくらい南アの治安が悪かったかというと。

私の日本人上司が南ア警察の幹部と世間話をしたときの話。

 

日本で、ある事件が発生した。

多分ネット記事か何かで読んだらしく、南ア警察幹部はその事件について知っていた。

上司が日本の治安の良さをほめ、得意げに

「警視庁は刑事500人を投入して、その犯人を追っている」

と話したところ、南ア警察幹部はうらやまし気にため息をついて言った。

「そりゃうらやましい。南アでは1人の刑事が500人の犯人を追ってるんだよ」

 

南アの治安については、また別の機会に書くことにする。

警官不足だし、強盗に警官が射殺されるのも日常茶飯事。

多分、南米並みに治安が悪かったのだと思います。

 

この記事の後半はインドネシアのわいろ事情について書こうと思っていました。

しかし、そうすると記事が非常に長くなってしまうので、続きはまた明日の記事に。

 

ところで、警察官の名誉?のために追加しておきますが、南アもコートジも、外国の国から援助してもらったODA(政府開発援助)のお金が、政府内で消えるという事件がありました。

〇〇大臣のふところに入ったという黒いうわさが流れてました。

それが笑っちゃうくらい巨額なので、一体何に使っているんだろうといつも不思議でした。

多分海外で家を買ったりしてるんでしょうね。