オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

一夫多妻制 2

昨日はインドネシアの一夫多妻について記事を書いた。

ひるがえってアフリカ。

 

南アフリカでは、一夫多妻なんて全く聞かなかった。

黒人、アジア人もいるけれど、白人キリスト教徒主導で成立した国だからなんだろうか?

南アフリカは、長らくキリスト教の国だったが、近年、イスラム教徒が大量に南アフリカ流入している。

なので今後は南ア社会がどう変わっていくかは分かりません。

 

コートジボアールは、複数の奥様を持つのは割と一般的でした。

コートジで一夫多妻制が受け入れられていた背景の一つとして、歴史的理由があります。

また、アフリカの人口の男女比も一夫多妻制を可能にした一因でしょう。

 

アフリカの大多数の国では、圧倒的に女性の人口が多い。

(これは生物学的理由からだと思います。)

そこへ、度重なる戦争で多くの男性が亡くなり、未亡人が増える。

すると、残った男性が多くの未亡人をめとり、養うのです。

つまり、戦争で夫を失った女性を救済するために一夫多妻が始まった、というのがコートジの事情のようです。

ほかの国もたぶん似たような理由でしょうね。

 

アフリカでは、女性が働いて十分な収入を得ることがいまだにかなり難しい。

特に、教育を受ける機会のなかった地方在住の女性たちにとって、現金収入を得るのは困難だ。

その上、女性に不利な法律やしきたりがいまだにあります。(この話はまたいつか書きます)

経済的に恵まれている男性が女性を養う形になるのはやむを得ない、あるいは自然なんだろう。

 

私の観察によれば、都会在住者で高学歴あるいは若年層は、奥様が一人であるケースがほとんどだった。

こういう人たちは欧米留学経験者も多く、考え方が欧米的なんでしょうね。

コートジで複数の妻を持つ男性は、圧倒的に地方在住者が多かったです。

 

コートジボアール人の男性同僚たちに

「あなたは一夫多妻じゃないのか?」

と聞くと、笑いながら

「そんな経済的余裕はないよ。子どももお金がかかるから、一人か二人で十分」

と言ってました。

この点、日本のような先進国と似ていますね。

一夫多妻で子ども30人、なんてのは昔の話。

 

ある日本人の友人の話。

彼のコートジボアール人上司(男性)がクリスマスに家に来るよう、誘ってくれた。

喜んで上司の家に行くと、上司は自宅で妻が作ったクリスマスの料理をささっと軽く食べ、

「じゃ、出かけてくるね」

といって、妻を家に残し、私の友人と二人で家を出た。

 

不思議に思った友人が、

「今日はクリスマスなのに、どこへ行くの?」

と尋ねると、上司は

「クリスマスだからこそ、2番目の妻の家に行かなきゃならないんだ。お前も来い」

という。

 

ついていくと、上司の2番目の妻が、彼女の家でクリスマスの料理を作って待っていた。

そこでまた上司は手料理を食べ、プレゼントを2番目の妻へ渡し、

「じゃ、これから行くところがあるから、またね。」

といって、2番目の妻の家を後にした。

不思議に思いながらも、私の友人は上司に従って家を出た。

 

「どこへ行くの?」

と尋ねると、次は3番目の妻のところへ行かなくちゃいけない、という。

ようやく私の友人も上司に複数の妻がいることを知り、彼は彼女たち全員をクリスマスに訪問するつもりなのだと理解した。

 

そしてその12月25日。

友人と彼の上司は一日かけ、上司の妻及び恋人の家を全部回った。

上司の妻や恋人は全員で12名ということが分かったのは夜遅く。

 

4人目の妻の家くらいから、友人はさすがに満腹になり、食事が食べられなくなった。

しかし彼の上司はすべての妻及び恋人の家を訪問し、彼女たちが作って待っていた手料理を食べ、プレゼントを渡し、「愛してるよ」とささやき、お腹いっぱいでも「美味しかったよ」と彼女たちをほめた。

それを最後まで同じようにやったというから、たいしたものだ。

 

その友人は、上司に複数の妻がいることを知った時、

「一夫多妻なんて、日本人男性から見ると夢のようでうらやましいな~」

と思ったらしい。

しかし一日上司に付き合って、自分にはこれほど多くの女性を養うタフさはない、と悟ったという。

彼の上司はまめに妻たちに言葉をかけ、彼女たちの苦境や愚痴を聞き、ちゃんとプレゼントも12個用意していたらしい。

 

たぶん、彼女たちはその男性が、ほかにも奥さん(または恋人)がいることを知っているのだろう。

しかし、それでもクリスマスに手料理を作って待っていれば、彼は来てくれるのだから、それで十分なのかもしれない。

 

この話を友人から聞いた時、一夫多妻と言っても、ここまで来るともはやボランティア活動のようなものだなと笑ってしまった記憶があります。

それに、彼の上司にとって「妻と恋人の違いは何だろう?」と思ってしまいました。

コートジでは日本と異なり、結婚する前に子どもを作るのが一般的なので、結婚したら妻、していなければ恋人、ということなのかな?と推測しています。

 

また、この上司がクリスマスを祝うということから、彼はキリスト教徒であることも分かりますね。

一夫多妻を実践する男性は、必ずしもイスラム教徒とは限らないんですねえ。

 

話は脱線しますが、私が最初にホームステイした家庭は、高齢のお母様、その娘(30代くらい)、娘の小学生の息子(つまり孫)という家族構成でした。

しかし、同じ家の敷地内にもう一人おばあさんが住んでいた。

彼女は一人で食事の支度をし、一人で食事を食べる。

 

「あの方はどなた?」

と尋ねると、亡くなった夫の2番目の妻だという。

 

夫が生きていた時から、一つの家に夫と2人の妻が同居していた。

1番目の妻には娘がいて、その娘が出産し孫が出来た。

しかし2番目の妻には子どもが出来なかった。

夫亡きあと、この4人が同居を継続している形になっているわけです。

 

夫死去後も、当然ながら妻たちにとってはそこが自分の家だ。

その2番目の妻(もはや高齢者となった)は、肩身が狭くても、そこしか住むところはないのだ。

 

私は最初、(同じ家に住んでいるんだから、仲良くしてあげればいいのに…)と余計なことを考えた。

しかし、彼らの様子を見る限り、2番目の妻と親しくする気配はない。

多分、1番目の妻は様々な思いを2番目の妻に対して抱いているのだろう。

同じ家にいながら2番目の妻とはまったく口をきかないのを見て、私は居心地の悪さを感じるしかなかった。

 

余談ですが。

一夫多妻の逆バージョン、つまり一人の女性に多くの夫、「一妻多夫」は大洋州の国にある文化のようです。

私はまだ大洋州の国に住んだことがないので、実際にどうやってこの制度が運用?されているのか興味があります。

個人的には、多くの夫を持つなんて面倒くさそうに思えますが…。