オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

終電

 

昨日、いくつか電車にまつわる話を思い出したので、記事にしてみます。

今日の記事は、友人の体験談。

おばけの話じゃないですよ。

 

その日、その友人Wは、残業をして帰宅が遅くなった。

何とか終電に間に合うように仕事を切り上げ、K線の終電に乗ることができた。

(このK線とは関東某所を走る鉄道なのですが、私は乗ったことがありません)

 

私もちょいちょい終電まで仕事をしている(というか、終電があるから仕事を切り上げている、という感じ?)のですが、都内の路線は終電だとたいてい混んでいるイメージ。

なので、この話を聞いた時、混まない終電もあるんだ…とちょっと驚きました。

 

友人Wは、そのK線の終電に駆け込み、座席に座った。

座れるくらい空いていた、というより、ガラガラだったそうです。

自分の乗った車両にはほとんど誰も乗客がいなかったらしい。

 

Wが座ると、すぐに電車は発車した。

『ああ、今日も一日頑張った。やっと家に帰れる』

『よかった、何とか終電に間に合ったぞ』

と思い、どっと疲れが出てきた。

 

あたりを見渡すと、車両のずっと向こうの方に乗客が一人、ぽつんと座っている。

逆側を見ても、かなり遠くの方にやはり一人の乗客がぽつねんと座っているだけ。

そんなに空いている終電もあるんですね。

K線、おそるべし。

 

Wは、今日も一日何とか終了したという安堵感と残業の疲れで、あくびが出てきた。

自分の降りる駅で寝過ごしてはいけない、と思い、最初は緊張していたが、だんだん眠くなってきた。

うとうとしてよだれを垂らしていることに気づき、あ、寝てしまった、と目を覚ます。

寝ないようにと頑張るのだが、まぶたが下がってきて、つい頭ががっくりと垂れ下がる。

そしてまた、はっと我に返る。

 

自分では寝ていないつもりなのだが、知らず知らずのうちに大きく船をこいでいるらしい。

頭がガーンと窓に当たる。それでまたまた目が覚めるのだ。

(Wは、自分の爆睡っぷりを面白おかしく話してくれたのですが、こんな感じだったみたいです)

 

そんなことをしばらくやっていたが、結局、睡魔には勝てなかったらしい。

疲労が押し寄せてきて、ついついぐっすり眠ってしまった。

もう、目も開けられなかった。

 

しばらく意識が遠のいていたようだった。

相当深く、ぐっすり眠ってしまっていたらしい。

 

かなり時間が経ってから、Wは突然目が覚めた。

「うわっ、また寝ちゃったよ。」

何度目かに目覚めたとき、そう思った、と言う。

 

目覚めると、自分の左隣におじさんがぴったりくっついて座っていた。

「うわっ」

Wは息が止まるほど驚いた。

 

すると、なんと自分の右隣にも、別のおじさんが自分にぴったりくっついて座っていた。

「うわっっ!!」

Wは息をのんだ。

こんなにガラガラな車両なのに、Wはおじさん2人に挟まれて座っていたのだ。

 

Wはあたふたとカバンを抱え直し、座席から即座に立ち上がった。

最初は頭がぼーっとしていたが、何が起きたのか即座に理解した。

 

「次は〇〇、〇〇です」

ちょうどその時、電車は次の駅に到着した。

Wはカバンを抱え、足をもつれさせながらその駅で降りた。

そして、ホームを少し走って、同じ終電の別の車両に乗った。

Wの後ろでドアが閉まった。

Wは、息をはあはあさせながら電車の壁によりかかった。

 

先ほどの車両で、自分の両隣に座っていた2人のおじさん。

あの2人は、自分が終電に乗った時に、同じ車両にいた乗客2人だった。

あの2人は離れて座っていたが、本当は仲間だったのだ。

 

誰もいない車両でWが眠りこけると、2人してWをサンドイッチのようにはさんだ。

そして爆睡しているWに対して、何かをするつもりだったのだ。

その何かとは。

 

Wは、乗り換えた車両の座席に座ると、あたりをきょろきょろ見渡した。

その車両には、数人の乗客が乗っていた。

 

空いている席に座ると、Wは自分のカバンの中身を確認した。

財布、財布…あったあった。

Wは胸をなでおろした。

 

もう、二度と眠りこけないぞ。

Wは、そこから自分の降りる駅までまったく眠らなかったという。

心臓がバクバクしていた。

もう、眠気なんぞ吹っ飛んでいた。

 

Wの話は以上だった。

終電で帰宅することの多い私に、終電には気を付けるようにという意味で、この体験談を話してくれたのだ。

今のところ、私は幸いにも?ガラガラの終電に乗ったことがない。

それに、終電にはいい思い出がないので、乗るときはとても気を付けている。

 

この話をWから聞いた時、こんなことを思い出した。

 

町とか地域の治安の良さを計るバロメーターの一つとして、そこにいる人(街を歩いている人とか)の種類を見る、という方法がある。

『女性や子どもがいるエリアは、治安がいい』とよく言われている。

確かに、その場所に女性や子どもがいると、治安がいいだろうという安心感がありますよね。

海外では、この法則は結構正しいと思う。

 

でも、終電となると難しいなあ。

そもそも、終電に乗る子どもなんて、めったにいないですよね。

最近は男性と同様にバリバリ残業をする女性も多いのかもしれないけれど、日本社会の現状を見る限り、やはり男性が終電に乗るケースが圧倒的に多い気がする。

 

やはり、気を抜かずに眠らないで家まで帰る、というのが、理想的なんですかね。

私なんぞ、電車に乗ると必ず睡魔に襲われるという不思議な体質なんだが(サラリーマン体質?)、終電では眠らないよう、頑張るようにしている。

皆さんも、終電を利用するときはくれぐれも気を付けてくださいね。