(今回は3.5パラグラフに挑戦してみました。)
アメリカの大学院に通っていた時の話。
朝、大学院へ行くと、大学の前にコーヒーの屋台がいつも出ていた。
屋台の前部はガラス張りになっていて、各種ドーナツが並んでいた。
コーヒーは50セント。ドーナツは1つ50セント。
1ドルあれば、温かいコーヒーとドーナツ1つで軽い朝ごはん代わりになる。
寒い冬は温かいものが飲みたいし、アメリカにはホット缶コーヒーなんて気の利いたものはない。
自動販売機もほとんど見かけなかった。
味気ない?自動販売機で買うよりも、屋台のお兄さんと話をしながら買う方が楽しい。
屋台のお兄さんは英語が堪能だったが、アメリカ人がこんな?仕事をするわけがない、とずっと思っていた。
ある日、私はお兄さんに聞いた。
「どこから来たの?」
するとお兄さんはニコニコしながら答えた。
「アフガニスタンだよ。」
自分の出身国を軽く明かすお兄さんにちょっと驚き。
しばらくすると、屋台のお兄さんは別の人に代わっていた。
彼はアメリカに夢を抱いてやってきたんだろうなあ。
アフガニスタンの戦争や人々の苦境を報道で見るたびに、あのお兄さんの笑顔を思い出す。