日本人と中国人の区別がつかない、と海外でよく言われることはないだろうか。
同じなんだよ、とも言い切れないが、まったく違う人種だ、という説明もおかしな気がする。
これは、偏見に基づくものではないかと常々思っている。
南アフリカにいたとき、白人の南アフリカ人がよく私に聞いてきた。
「アパルトヘイト時代、日本人は”名誉白人“と扱われていた。中国人は”黒人・カラード(色付き)“ってことになってたんだけど、俺には日本人と中国人の区別がつかないんだよ。違いを教えてくれ」
そんなことを言われてもねえ。
”名誉白人”なんて、日本人が決めたんじゃないよ。
こんなことを聞かれると、いつも答えに困っていた。
ひるがえってコートジボアール。
貧しいアフリカの国では、中国政府がじゃんじゃん病院やスタジアムを建設している。
しかし、中国政府は現地人を絶対に雇用しない。
作業員はみんな中国人だ。
そうすると、雇用にありつけない現地人のやっかみが始まる。
「おお、お前は日本人か!やっぱり日本人はフランス語が上手だなあ~」
そうでもないよ、というと、コートジボアール人は笑って言う。
「中国人はボンジュールって言えないんだよ!やつら、ボンズール!っていうのさ、ハハハ」
そんなわけないだろ。