コンゴ民主共和国へ出張した時のこと。
コンゴ民はアフリカ中央部に位置し、日本の6倍もの面積に広大なジャングルを持つ資源大国だ。
20年以上にわたり内戦が続き、経済は破綻。
多くの人が家を追われている。
私が行った時も、首都キンシャサには「戦争をやってました」感が漂い、首都に国連軍が展開していた。
主要な戦場は東部へ移ったものの、たまに首都でも市街戦が発生する、といった具合だった。
このサルの何がすごいのかというと、他の霊長類と異なり、メスの方が社会的地位が高く、集団的協力関係を築くことだという。
ちなみにチンパンジー社会は、人間と同じく、男性優位社会で敵対的だそうだ。
もめ事が発生すると、オスのボスが威嚇したり暴力をふるったりして、力で解決する。
人間社会も、トラブルが起きると戦争をしたりミサイルで威嚇し合ったりして、暴力や抑止力で解決してますよね。
しかし、ボノボは違う。
トラブルが起きた者同士でなめあったり毛づくろいをしたりして、平和的に解決するのである。
他の霊長類(と人間)と違う社会を作るサルなので、研究者を惹きつけているのだそうだ。
ま、ボノボはおいといて。
首都キンシャサの市中に、前大統領と現大統領(当時)の顔写真の垂れ幕が掲げてあった。
この2人は親子だ。
前大統領である父のローラン・カビラが暗殺され、息子のジョゼフが後継となったのだ。
その大統領の息子か…。
と写真を眺めて、ちょっと驚いた。
前大統領ローランと現大統領ジョゼフは父子のはずだが、この息子がまったく父親に似ていないのである。
全く、まったく、似ていないのである。
もしや、養子?違うよね?
私がしげしげとその垂れ幕を眺めていると、同僚の青木君(仮名)がニヤニヤしながら言った。
「びっくりするでしょう?息子、まるっきり似てないですよね。」
とはいえ、もちろん彼らには血のつながりはある。
単純な話だが、前大統領の奥様がとびきりの美女だったわけだ。
青木君がうらやましげに?言う。
「アフリカの大統領って、美しい奥様と結婚できるから、息子もイケメンになるわけですよねえ。いいなあ」
それは君の願望かね…。
青木君の個人的?調査によれば、大統領や独裁者の息子は多くの場合、イケメンだという。
コンゴ民の場合も、父はヒキガエルがつぶれたような?(失礼)感じのたたき上げ政治家といった感じだが、息子はイケメンの若き政治家だ。
なーるーほど。
人間は、ボノボのように紛争を平和的に解決するのはなかなか難しいのだろう。
大統領の息子はほぼ確実にイケメン。
妙な暗黙のルールがアフリカに存在するわけか。
これって、アジアや南米も同じなんだろうか?と、いつも不思議に思っている。