今やラーメンは日本食の代表的存在だ。
最近は、海外でも都会なら和食レストランを見かけることが出来る。
しかし、やはり日本食は日本が一番おいしい。
コートジボアールから帰国する前。
「日本へ帰ったら何が食べたい?」
と友人と話していたが、私はなんてったってラーメンが食べたかった。
友人たちは、お寿司だのトンカツだの数十種類の日本食を挙げていたが、私は「帰国したらラーメン」と決めていた。
日本にいたときは特別ラーメンが好きというわけではなかったのに、不思議なものです。
なぜか、シンプルにラーメンが食べたかった。
帰国して、すぐ目についたラーメン店(というか中華料理店だったな)に入店。
東京でも、地価がめっちゃ高いエリアの店なので、ラーメンのお値段も結構する。
一応、通りに面したショーケースでサンプルを吟味。
五目ラーメンだのタンタンメンだの野菜タンメンだの、どれもおいしそうで目移りがする。
あ~でも、やっぱり普通のラーメンがいいかな。
迷った挙句、サンプルがおいしそうだったラーメンにした。そして入店。
注文してほどなく、私の前にラーメンが運ばれてきた。
夢にまで見た(そんな大げさな)ラーメンだ。
アフリカ生活の直後なら、何を食べてもおいしいはず。
いただきます!!
スープを味見して、ん?
気のせいかな。
麺をすする。
麺の上に乗っている具材を食べ、麺をすすり、スープを味わう。
そして、しばらく食べてようやく気付いた。
この麺、あまりおいしくない。
スープは特別おいしいわけではなく、まあまあの味。
しかし麺がおいしくないので、全体的に微妙な仕上がり。
知らない店に飛び込みで入ってしまったので、仕方ない。
最後までラーメンを食べきることにする。
食べ終え、会計を済ませて店を出る。
歩き始めて、再度ラーメンの味を思い返す。
麺がおいしくなくても、スープさえおいしければ大丈夫だろう、と思っていたが、そんなに甘くなかった。
ラーメンはスープも麺もおいしくないと、全体のハーモニーが崩れるものなのですね。
ラーメンを甘く見ていた。
アフリカ生活の後だから、何でもおいしく食べられるものと思っていた。
いや、アフリカ生活の後で和食に飢えていたにも関わらず、「この麺おいしくない」と思ったくらいだ。
全然グルメじゃないしラーメンにこだわりもない自分が「おいしくない」と思ったということは、相当おいしくないんだろう。
その後、ラーメンを食べに行くときは、周りの人のお勧め店を聞いてから行くようにしている。
そうするとハズレがほとんどない。(好みはありますが)
ラーメンのようなシンプルな食べ物にハズレなんてあるわけない、と思っていましたが、奥深い食べ物だということが、この一件でようやく分かった。