オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

犬の世話

 

 

どうでもいい話題を一つ。

海外でペットを飼う人は結構いる。

日本へ連れて帰る人もいれば、現地に置いていく人もいるようだ。

 

先日の記事「フランス語か英語か」に登場した、日本人の西条さん。

アビジャンに着任したときに、前任者から仕事等の引継ぎがあったという。

 

海外へ着任した人は、仕事以外の物事(生活関係)も前任者から引継ぎがある場合がある。

初めて生活する国での便利情報、例えば日本人がよく使うスーパーや美容院を教えてもらったり。

私の場合は、前任者から炊飯器やいらなくなった生活用品をもらうこともある。

 

西条さんの前任者はアメリカ人だった。

前任者は妻子がいて、犬も飼っていた。

アメリカへ帰国する際に犬も連れて帰るつもりだったらしいが、諸事情で犬を連れて帰るのが難しくなった。

 

「またコートジボアールに来るので、その時に連れて帰る」

ということで、飼い犬をアビジャンへ置いていったのだ。

後任(西条さん)に犬の世話を頼んで。

 

「なので、僕の初仕事は前任者の犬の世話だったんだよ」

と西条さんは笑っていた。

その後、前任者は再度アビジャンへ来て、犬をアメリカへ連れて帰った。

それを聞いて犬の行く末が分かり、私はちょっと安心した。

 

かなり前の話だが、上司から唐突に言われた。

ジブチへ3か月間、行ってくれない?」と。

 

ジブチというのは、紅海に面したアフリカの小国だ。

ジブチへ赴任した人が体調を崩して帰国したらしい。

急ぎ後任者を選定し、その人がジブチへ赴任するまでの「つなぎ」の人が必要になったというわけだ。

3か月というのは、会社が後任を見つけ、その人が赴任するまでのおおよその時間だ。

 

ジブチはフランス語圏の国だ。

当然ながら条件は、「(誰でもいいが)フランス語で仕事が出来る人」だった。

そういうわけで、私に話が回ってきた。

 

3か月間なら、もちろんやりまっせ!

と私は思った。

しかし、会社員というのはそう簡単に現在の仕事を中断することが出来ない。

上司やそのまた上の上司と業務予定を練り直し、あちこちと調整した。

すったもんだの末、私は日本を離れることが出来ず、他の人がジブチへ行くことになった。

う~残念。

 

突然白羽の矢が立った人、上野さんは、

「へっ?私がジブチへ行くんですか?」

と目を白黒させていた。

身代わりになってもらってすまんのう…。

 

フットワークが軽い上野さんは、文句も言わずに日本を出国してくれた。

本当に申し訳ない。

上野さんが帰国したら、ねぎらい&感謝をこめて、お昼でもごちそうしなければ。

 

3か月後。

ジブチから帰国した上野さんが出社してきた。

輝くばかりの笑顔になっている。

どうしたわけだ…。

 

出国前の上野さんは、「どうして自分がジブチ?」「しかも突然」という納得いかない?表情をしていた。

社命とはいえ、ほとんど準備時間もないまま行かされたのだから、当然だ。

怒っているのかもしれない…と私は心配していた。

なのに帰国してみたら、この満面の笑顔。

 

ジブチ、どうだった?」

と私は上野さんにおそるおそる聞いた。

すると、上野さんはニコニコしながら答えた。

 

「前任者が犬を飼っていたんですよ!

だから、私のジブチでの初仕事は、犬のエサやりだったんですよ。」

 

どうやら前任者も、そのまた前任者から犬を引き継いだらしい。

なので事務所(会社)に犬がおり、毎朝出社すると犬のエサやりをするのがジブチでの日課だったという。

もちろん仕事は忙しいのだが、上野さんはジブチにいる自衛隊の方たちと仲良くなり、楽しい3か月間を過ごしたのだという。

 

私は、海賊退治の話を楽しそうに話す上野さんを横目で見ながら、複雑な気持ちになった。

なるほど…。

行く前は不安そうだったが、東京で働くよりジブチで働く方が楽しかったようだ。

まあ、良かったのかなあ。

 

海外で犬の世話。

犬のエサやりは、毎日やらなければならない。

案外、違う環境で自分の生活リズムを作るのに、犬の世話は良い日課になるのかも。

西条さんも上野さんも、「初仕事は犬の世話」と言いつつ、なんだか楽しそうだったなあ。