私はよく友人を自宅に呼んで、ご飯を食べる。
いや、食べていた、というべきか。
昨年からこのような社会状況になって、人と集まることがなかなか出来なくなった。
自宅に友人を招くこともあるが、逆に呼んでもらうこともある。
友人の得意料理や秘密の?レシピを知ることが出来て、それも楽しい。
ある友人宅へ遊びに行った。
昼食にはカレーが準備されていた。
彼女の旦那さんはカレー好きが高じて、ケララ州(インド南部)にカレーの勉強に行ったのだという。
ぜひケララカレーを披露したい!ということで、出勤前に作ってくれたらしい。
市販のルーを使ったカレーと違い、お腹に優しい味だった。
次回インドへ行くなら、ケララ州に決まりだな。
過去に、フランス人の友人宅に夕食に呼ばれたことがある。
フランス料理が食べられるかも!と勢い込んで行ったが、まったく想像と違っていた。
食卓に出てきた料理は、ニンジンの輪切りをゆでたもの(多分、冷凍ニンジンをレンジでチンしただけ…)と、牛肉の塊をオーブンで焼いたもの。
その2つだけだった。
ある意味、衝撃的だった。
ニンジンのゆでたのと、牛肉塊だけで夕飯になるんだ…。
日本人はもしかして張り切り過ぎなのかもしれない。
私は友人を自宅に呼ぶとなると、前日から仕込みを始めたり、ああでもないこうでもないとメニューを考えたりするタイプ。
もっと気楽に料理を作って、人を呼んだらいいのかも。
大学院の学生寮に住んでいたとき、台湾人学生が友人の学生を食事に呼んだのを見たことがあった。
ご飯はあらかじめ炊飯器で炊いておいたらしいが、おかずは2つだった。
空心菜を炒めた物(友人が来てから炒め始めていた)と、冷凍の辛子明太子。
それで十分だよ…。
料理が豪華かどうかではなく、友達と食べるのが楽しいんだからさ。
台湾人学生の中には、料理がとっても上手な子もいた。
ルーロー飯を作ってくれた子もいた。
とってもおいしかった。
やはり台湾料理はいいですね。
スペイン人はちゃんと毎日料理をするので、「ヨーロッパ人は料理をしない」とは言えないだろう。
スパニッシュオムレツ、コシードマドリレーニョ、パエリア、魚料理、あさり料理、豆料理、オレンジのサラダ。
スペイン料理は何でもおいしかった記憶がある。
パエリヤは「日曜日の料理」とか、「男性が作る料理」とか、私の下宿先家族は言っていた。
日帰りキャンプというか、家族でよく野原?に出かけてパエリアを作っていた。
野外で食べるパエリアはとてもおいしかった記憶がある。
まあ、パエリアじゃなくても、野外で食べると何でもおいしいのかな。
コートジボアールとインドネシアは、手間暇かけて料理をする国。
さすがにどちらの国も料理はおいしい。
どの料理も、いまだに懐かしく思い出されます。
ところで、料理をふだん作っている人とめったに作らない人では、ハードルの高さが違うようだ。
「大勢と食事をしたいが、安く済ませたい」という同僚から、先般アドバイスを求められた。
「じゃあ、焼きそばとかカレーライスとか作ればいいんじゃない?」
と私は言った。
焼きそばとかカレーならたくさんの量が作れるし、誰が作ってもたいてい?同じような味になる。
すると、彼女は反論した。
「焼きそば?そんな大変な料理作るんですか?」
私は驚いたが、彼女から次の言葉を聞いてさらに驚いた。
「だって、野菜を洗わなければいけないんですよ?
野菜も切らなくちゃいけないし。そんな手間暇、かけるんですか?」
なるほど。
ふだん料理をしない人からすると、野菜を洗うのも切るのも、大変な作業なわけだ。
うーむ。想定外の答えだなあ。
まあ、台湾人学生方式で、空心菜の炒め物と辛子明太子でも十分じゃないですか?
でも、空心菜を洗うのも切るのも、面倒くさいんだろうなあ。
となるとやはり外食か、お惣菜を買ってくるとか。
昨今は冷凍食品の進化がめざましいので、色々な冷凍食品を買ってくる手もある。
あるいは参加者の持ち寄りにすると、様々な料理が楽しめますよね。
先ほど、スペイン人はよく料理するとか書いてしまったが、本当は国籍とか関係ないんだろうな。
「ふだん料理をするかどうか」が分かれ目なんだろうなあ。
私のドイツ人の友人マルちゃんは、キュウリを切るのも大仕事、みたいな感じだ。
しかし、彼女の夫ゾンケは料理好きだけあって、皮むきだろうが煮物だろうが、作業がとても速い。
ドイツへ遊びに行った時、マルちゃん宅でカレーライスを作った。
私の調理を見ていたマルちゃんは「うわ、私には複雑すぎて無理」とすぐに音を上げた。
妻から私のアシスタントに任命されたゾンケは、すぐにカレーの作り方をマスターした。
(だって、そんな難しい料理じゃないですもんね)
私が日本へ帰った後も、カレーの作り方を覚えたゾンケが似たような料理(ってどんな料理だ)を作ってくれた、とマルちゃんが言っていた。
私に似た人がドイツにもいるわけだ。
友人宅で食べておいしかった料理や、レストランで気に入った料理は、私は自宅で再現してみる。
ゾンケもそういう人種らしい。
最近、私が気になっているのはフライドグリーントマトだ。
アメリカ南部でよく食べられているらしい。
まだ赤く熟していない青いトマトを薄切りにし、塩コショウして小麦粉をまぶし、油で焼くだけ。
ハンバーガーに肉と一緒にはさんでもいいし、料理の付け合わせにしてもいいらしい。
これを作ってみたいのだが、日本でもアメリカでもインドネシアでも、青いトマトを見たことが無い。
青いトマトなんて買う人がいないから、売っていないんでしょうね。
トマト農家に行って、青いトマトを売ってもらうしかないのかも。
あ~一度でいいからフライドグリーントマトを食べてみたい。
この料理を見たテレビ番組は、ジャカルタで放送されていたAFC(Asian Food Channel)だ。
アジアと名前がついているが、アメリカやオーストラリアの料理番組もこのチャンネルで放送している。
(番組制作会社はシンガポールにあるらしい)
幸いなことに?放送は英語であって、インドネシア語ではない。
番組は、なんと24時間放送だ。
料理好き、あるいはおいしそうな料理を見ているだけでも好き、という人には楽しい番組だ。
内容は国も食材も内容も様々だ。
シンガポールのシェフによる料理教室、韓国で流行っている料理方法、京都の市場で売られている食材の紹介、ベトナムでオープンしたレストランの名物料理、オーストラリアの家庭料理などなど。
ジャカルタの自宅にいるとき、ヒマさえあれば私はこのチャンネルを見ていた。
このチャンネルで、アメリカ南部のカフェが取り上げられた。
このカフェの名物が「フライドグリーントマト」だった。
サンドイッチの具や、鶏肉のランチセットの付け合わせとして使われていた。
これが本当においしそうだったのだ。
日本で青いトマトが手に入れば作ってみたい。
もし、これからアメリカへ旅行することがあるなら、アメリカ南部へ行って食べるしかない。
結局、私が「旅行へ行きたい」と思う原動力は食べ物なんだな~と思うと情けない気もする。
でも、おいしい物を友人たちとおしゃべりしながら食べたい、というモチベーションにもなっているので、食い気が張っているのも悪くないのかも。
ということにしておこう。