トルコへ行った時、ベリーダンスのショーを見た。
ダンスのあとに、黒い衣装を身につけた男性の剣舞があった。
この男性たちは、カフカス地方出身者だった。
彼らの出身地はチェチェンだかオセチアだか、はっきり覚えていない。
そういえば。
トルコ東部は、ロシアのその地方と国境を接していましたね。(気づくの遅すぎ?)。
ってことは、ロシアの辺境?からも、観光客が多く来るトルコへ出稼ぎに来るわけだ。
トルコの民族舞踊、と銘打って、チェチェン人がアルバイトか…。
どうせ日本人観光客には、トルコ人とチェチェン人の見分けがつかないだろう、と思われてるんだろうな。
(見分けつかないけど)
インドネシアでのこと。
国内線で地方へ行く時、待ち時間があったので、空港内の店をぶらぶら見ていた。
「本場バリのバリ式マッサージ」という看板を掲げた店があった。
店の前では、バリの民族衣装をまとったスタッフが客引きをしていた。
たまにはマッサージでもするか、と思い、その店に入った。
担当のお兄さんによるマッサージが始まった。
カタコトだが、私が少しインドネシア語が分かると知って、お兄さんは打ち解けてきた。
「お姉さん、どこの人?」
ジャカルタに住んでいる日本人だ、と言うと、お決まりの質問が。
「好きなインドネシア料理は?」
そうねえ。
この前ミー・バッソ(肉団子そば)を食べたんだよ。
ジャカルタの〇〇エリアでさあ。
おいしかったし、たったの15,000ルピアだったよ。
と言ったら、マッサージをしながらお兄さんが笑顔で言う。
「へえ、おいしそうだね!
でも、僕はジャカルタの××出身だから、家がちょっと遠いなあ」
「ん?ジャカルタ出身?」
私はお兄さんの顔を見た。
お兄さんも、あ、しもた、という表情になった。
あんた、「バリ式マッサージ」の店員で、バリ衣装を身につけてバリ人ぽくしてるじゃないの。
バリ人を装っているが、ジャカルタ出身かい。
バリ人ってことにしておけば、「バリ人から本場のマッサージを受けた」と外国人が納得すると思ってるんだろうな。
ま、いいけど。
看板に偽りあり、ってどこの国でもありがちなんですね。