オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

高額な自分

 

先日、薬局へ行った。

 

今年の前半にちょっと体調を崩し、診察を受けた。

その際に、「症状が収まるまで」の期間に服用できるよう、30日分の薬を処方してもらった。

1回か2回、その薬を飲んだら症状が収まってしまった。

なので、残る薬は不要になってしまったのだ。

 

聞いた話だが、薬局によっては不要な薬を受け取ってくれるところがあるらしい。

 

なるほど。

有効期限内の薬なら、もしかして発展途上国へ送るのかな。

または、リサイクルできるのかな?

薬なので何に使用できるのか分かりませんが、道路のアスファルトに混ぜると強度が強化されるとか?(←適当)

 

よく分からないが、まだ使用可能な薬だ。

有効活用せねば。

 

と思いたち、薬局で「不要になった薬を受け付けてもらえるんでしょうか?」と聞いてみたのだ。

薬剤師さんの返答は、こうだった。

 

「はい、受け付けます。当局で受け付けて廃棄処分します。」

 

え?捨てるの?

じゃあ、自宅で捨てても同じ?

 

「はい。こちらまで持参されるのが大変でしたら、ご自宅で捨てられても結構です。」

 

衝撃だった。

「受け付ける」って、結局廃棄処分するだけのことなんですね。

 

「今年の前半に処方されたばかりのお薬なので、まだ有効期限があると思うのですが」

と食い下がってみた。

しかし、薬剤師さんは笑顔で否定する。

 

「たとえ1日でも、お客様にお渡ししたお薬は、薬局に持参されてもすべて廃棄処分なんですよ。」

 

そうか。

開封でも誰が使ったか分からない薬だし、悪質な人は妙な細工をしているかもしれぬ。

確かに、他の人が使ったら危険なのかな。

しかし、もったいないなあ。

 

「集めて途上国へ送るのかと思っていました。

まだ有効期限が切れていない薬なら、喜ばれるでしょうから」

 

と言ってみると、薬剤師さんは悲しそうな笑顔になった。

 

「はあ、そうですね。そう出来ると一番いいんでしょうけど。」

 

出来ない、ってことなんでしょうね。

分かりました。

 

しかしなあ。

何だか消化不良の気持ちが残る。

コートジボアールにいたときは、薬が無いために亡くなっていく人が大勢いた。

無医村ならともかく、中核都市の大病院に行っても薬が無い場合もあった。

それを思い出すと、まだ使用可能な薬をじゃんじゃん捨てる日本とは。

ぜいたくな国ですなあ。

 

この話を同僚にした。

彼女は最近、入院した友人のお見舞いに行ったところ、大量に医療ゴミを捨てているスタッフを見かけたという。

山盛りになったゴミが、小柄なスタッフの身長より高く積み上げられている。

それを院内から所定の場所へ何往復もして持っていくのだ。

 

「こんなに医療ゴミが出るの?ってびっくりしました。

ま、コロナもあるから、特に厳しいんでしょうけど。」

 

そうねえ、確かに感染症が流行している時は特に気を遣って、手袋とか取り換えるよね。

しかし。

 

注射針はリサイクルできないとしても、ゴム手袋とかビニールとかは石油製品だ。

殺菌して何かにリサイクル…する方が、お金がかかるのかなあ?

よく分かりません。

石油やガソリン代が高くなっている今、外国から石油を買っているのに、それをリサイクルできないのか~。

ともどかしく感じた。

 

最近はSDGsや「もったいない」がトレンドになってきていて、食品業界はこの最先端を行っている。

レストランやパン屋などは、余ったパンや弁当などを廉価もしくは無料で、困窮した人たちに配布している。

道義的にも社会的に意義のある取り組みなんじゃないかと感心している。

 

しかし巨額のお金が動く薬品業界は、どうなんだろう。

リサイクルについては衛生面の課題もクリアできないし、かつ大人の事情が色々あって、変革もすぐには出来ないんですかね。

 

よく、政界は高齢のおじいちゃんたちが牛耳っていて、日本社会から大きく外れているので改革が出来ない、とか批判されるが、案外ほかにもそういう業界がたくさんあるのかもしれない。

そういう業界でも、「変えなきゃ!」と本腰を入れれば変えられることはあるのだろうけど。

 

それにしても、モヤモヤが残るぞ。

まだ誰かの命を救えるかもしれない薬を捨てるのか。

かなり心理的抵抗があります。

 

日本人の命って高額なんですね。

たまたま日本に生まれたので、まだ使える薬を捨てる贅沢を享受しているのですが、捨てる前のモヤモヤが半端ない。