オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

カニカマ

 

カニカマという魚肉練り製品がある。

ちくわのように白身魚からできているが、赤く着色してあって、カニ肉にみせかけたアレだ。

カニ風味かまぼこ」ですね。

 

私がスペインの大学へ通っていたころ。

ちょっと苦み走っていて、見かけだけは「古畑任三郎」みたいな感じの男性の先生がいた。

この先生は、私が日本人と分かるといきなりこんなことを言い始めた。

 

カニカマって日本のすごい発明品なんだぞ!知ってる?」

(知ってるよ…)

 

そして彼は、カニカマは安価なわりにおいしい、なんてことを力説し始めた。

私はちょっとあっけにとられた。

 

私を見て突然、カニカマかい。

日本人=カニカマ、とよっぽど頭にすりこまれていたのかな。

しかし、スペイン人、よほどカニカマがお好きなんだろう。

 

しかし、当時のスペインにすでに「カニカマ」が輸出されていたのだから、そっちの方がすごい。

安いし、スペイン人は魚が好きだから、そりゃ売れたでしょうね。

スペイン留学後、何度か欧州へ行ったが、カニカマはどこでも見かけた。

ご飯の上にカニカマを乗せて「寿司」と称している珍妙な弁当もあったぞ。

 

そして年月は流れ、インドネシアで勤務中のこと。

ある晩、上司宅へお呼ばれした。

上司の奥様がちくわの天ぷら(つまり磯部揚げ)を作ってくださった。

私はうどんの具といえば、磯部揚げがナンバーワンだ、と思うくらい大好きなのだ。

(その時はうどんの具として出されたわけではないが…)

 

しかし、その時までインドネシアに「ちくわ」があることを知らなかった。

だから、「ちくわがある!」とびっくりした。

たぶん、日本人が技術指導して、「ちくわ」をインドネシアで作っているのでしょうね。

(後で調べたら「イチマサ」という会社がインドネシアで魚肉練り製品を作っているそうです)

 

しかし、どういうわけかインドネシアの「ちくわ」は、日本の「ちくわ」よりはるかに小ぶり。

1つ3センチくらいしかない、ミニミニサイズなのだ。

この冷凍ちくわは、インドネシアではキロ何円で量り売りしている。

これくらい小さい「ちくわ」なら、スナックとかおつまみにちょうどいい。

 

インドネシアに「ちくわ」があるということは。

じゃあ「カニカマ」もあるよね?

 

探してみると、ありました!

よく考えたら、インドネシアは島国。

そりゃあ、白身魚が取れれば作れるよね…。

 

カニカマ」人気のヨーロッパと違い、インドネシアは独自の魚肉練り製品文化がある。

なので、日本風の「カニカマ」が庶民に浸透しているというわけでもない。

ちょっと残念。

たぶん、「カニ」自体をあまり食べないから、それに似せた「カニカマ」も需要が少ないんだろうな。

 

インドネシアには、13,000以上の島々がある(ちなみに日本は6,800くらい)。

しかしインドネシア人は、意外にも魚を消費しない。

鶏肉はよく食べるのに…。

彼らに言わせると「魚は鶏肉より高いから」ってことらしい。

 

アジやサバも取れるらしいし、水産資源は(取らないだけで)結構豊富だ。

最近はベジタリアンならぬ「ペスカトリアン」(肉は食べないが、魚は食べる)なんて人もいるらしいし、魚肉は人気が出そうだが。

みんな鶏肉の方がお好きなんですね~。

 

というわけで、カニカマ人気はどうやら日本と欧州だけのようだ。

日本でも、最近の報道によれば、白身魚が資源枯渇気味で値段が高騰しているという。

かまぼこやちくわも値段が上がりつつようだ。

あれだけスペイン人の先生が「安くてうまい」とほめちぎっていたカニカマも、そのうち高級食材になるのかもしれん。