オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

デモ

 

テレビの報道などで、海外でデモをやっている様子がたまに放映される。

フランスなんぞ、年がら年中やっているような気がする(気のせいだろうか)。

意見を表明する機会があるのは良いことだ。

 

コートジボアールでは、私がいたときはよくデモをやっていた。

デモの中心は学生だった。

 

これは、昔も今も変わらないんじゃないだろうか。

日本だって、昔の安保闘争とかは若者中心でしたよね。

最近の香港だって、民主化運動は大学生中心だったし。

(香港は特別だった。中国に飲み込まれてしまうことに危機感を持つ学生がデモをしている中、『どうして大人は声を上げないのか?』と思ったものです)

政治の腐敗や経済の不平等に対して憤りを感じるのは、若いうちなんだろうな。

 

しかし、大人になってしまうと「体制側」についてしまう。

『反対意見を表明すると会社に居づらくなる』とか、『どうせデモをしたって大勢は変わらないから』といった、あきらめに似た状況になってしまうんですよね。

 

私も人を批判できる立場ではないが、会社員をやっているとだんだん「わきまえる」ことを覚えるようになる。

それを60年代のアメリカ人学生たちは「30歳以上を信頼するな」(Don't trust anyone over 30)というスローガンで表したのだが、実に納得だ。

 

コートジは、逮捕された学生に対する扱いがかなりひどかった。

弁解する間もなく刑務所へしょっぴかれ、汚い牢屋にぎゅうぎゅうに押し込められるのが常だった。

友人の何人かが大学生だったので、そんな話を山ほど聞いた。

警察も民主的ではないので、無罪の学生を殴打したりなんてことは、日常茶飯事だった。

 

インドネシアでも、大統領選の前後にちょいちょいデモがあった。

ここでも、デモの中心は若い社会人や大学生だった。

 

ある時、大統領令で法案を勝手に?変更できるようにするとか、大統領特権を認める云々があった。

私もそれを聞いて「すごいな!それはちょっとまずいんじゃないかい」と思ったが、インドネシアの若者たちの反発は半端なかった。

私のアシスタントB子も、「大統領の暴挙を許しちゃいかん」と、大学生の妹にはっぱをかけていた。

 

こういう反政府デモは大都市圏で発生することが多い。

インドネシアも、ジャカルタでよく学生デモをやっていた。

「国立インドネシア大学」(UI、ウイと読む。日本の東大みたいなところ)とかの学生がデモに参加していた。

 

不思議だが、レベルの高い大学ほどこういうデモに参加する人が多かったなあ。

そういえば、どの国も首都で大規模な学生デモをやるような学生って、たいていインテリだ。

日本だって、定員割れするような三流大学でデモが盛ん、てのは聞いたことが無いですよね。

 

なぜなんだろう?

優秀な人は真面目なのか?

それとも頭が良すぎて、社会の不平等にすぐに気づくのか?

 

ところで、私も東京で戦争反対のデモに参加したことがある。

自分から自主的に参加を決めたわけではない(そんなに頭は良くない)。

友人に誘われたのだ。

デモに参加しようと誘われたとき、ちょっと躊躇した。

 

コートジボアールの激しい学生デモを見てきた身としては、「あそこまでやらないといかんのか!」と、妙に気合が入った。

あそこまでやったら、まあ当然警察に逮捕されるよね。

だって、デモと関係ないこともついでにやってましたから。

政府に無関係の通行人を襲撃したりしてたからなあ。(それは反政府側に扇動されてやらされたんですが…)

 

まあ、そこまでやらなければいいのかな。(←そりゃそこまでやったらさすがにマズイでしょ)

そんなことも考えた。

 

色々迷った末、やはり参加することにした。

自分の信念もあるしね。

 

で、友人とデモに参加して拍子抜け。

のんびりと都内を歩いて、旗を振って「戦争はんた~い」と言うだけ。

これってデモ?!

マジですかい?

 

あれだけ気合を入れて参加したのに(←自分だけ気合入れすぎ)、こんな超平和的なのか…。

むしろ衝撃。

 

戦争反対を叫んで逮捕される…のかと思っていた。(日本はそんな国ではない)

もしや今夜は警察署にお世話になるのか…と思っていた。(この程度では警察も相手にしない)

今晩は刑事さんからカツ丼をごちそうになるのか…と想像していた。(テレビの見過ぎ)。

 

まあ、そりゃあねえ。

日本はコートジやインドネシアとは違うからねえ。

香港とかタイとかのデモとは激しさが全然違うし。

 

デモ隊と歩きながら、友人がささやいた。

「日本のデモって、すごく平和なんだねえ。」

「警察と衝突するとか、そんなことはないんだね。」(あったら困るけどね)

 

ま、私にとっても良い経験になりました。

60年代の東大紛争みたいなのを想像していたら、全然違った。

これが「大人がやるデモ」なんですかね。

 

でも、フランスなんかは大人でもいまだに?伝統的なデモをやってるみたいですけどね。

フランス農家のデモなんて、牛やトラクターを連れて上京しシャンゼリゼ通りを練り歩くとか(見てみたい)。

 

バンコクでは、麺やご飯物の屋台がデモ会場に現れるという。

「今日は〇〇地区でデモがある」と携帯で連絡を取り合った店主が屋台を引っ張っていき、デモ隊の周辺に屋台が出没するのだそう。

デモ隊も、温かいラーメンなんか食べながらデモが出来るし、うらやましい。

権威に抵抗する庶民パワーという感じで、応援したいぞ。

 

去年、環境破壊に反対する若者たちが英国に集結しデモをやっているのを見たけど、あれはあれでよかった。

やっぱり、デモには若者が似合う…気がする。

もちろん、大人も必要なときは声を上げなければだめだと思うけど。