オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

俺も

 

ある病院へ行き始めた。

「通う」というほどではない。

たまに行く、という感じ。

 

デスクワークをやっているせいで、たまに腰が痛くなる。

腰痛フレンドの話は過去の記事に書いたが、私はまだそこまで深刻な腰痛というわけでもない。

たま~に腰や脚が痛いことがある、という程度だ。

 

しかし、放っておいて深刻になるのも困る。

というわけで、整形外科へ行き始めた。

 

そこは○○医院という個人病院で、内科等他の診療科がある。

整形外科は、隔週のみの診療だ。

 

院長先生や内科のお医者さんたちの名字から推察するに、家族経営のようだ。

院長先生の息子さんたちが、それぞれの診療科の医者らしい。(しかし息子たちはそろいもそろって医者になったわけか)

よくあるタイプの個人病院なのだ。

 

で、肝心の整形外科。

先日、しばらくぶりに行った。

 

この整形外科の先生は男性である。

童顔でいつも元気な先生だが、20代ではない。

仮にA先生とする。

 

このA先生がなれなれしいのである。

いや、さわってくるとかそういうことではない。

口の利き方が、である。

 

A先生と最初に会ったのは(つまり初診時)、確か2年くらい前だ。

今まで腰痛なんて無かったので、どの病院へ行って良いか分からず困った。

周囲の人に名医を聞いたり、ネットで探したりして、自宅から通える距離で整形外科を見つけた。

 

そして担当医、A先生に診察をしてもらった。

初対面から声がでかい。

「元気な先生だなあ」と思った。

(まあ、医者が体調悪いと困りますけどね)

 

で、サクサク診察を進めて手早いのは助かるのだが、A先生の一人称が「俺」なのである。

医者なのに、である。

 

もちろん、私も今までに歯医者とかいろいろな医者にかかったことがある。

しかし、今までにかかった医者は自分のことを、「私は~」と言っていた。

 

社会人なら当然ですよね。

会社員だって同じだ。

職場で、特に接客中であれば、自分のことを「私は~」と言いますよね。

 

最初、A先生が「俺も●●で云々」と言った時は、ん?と違和感を持った。

そのあと心の中で反芻して、「あ、『俺も』って言ったんだ」と気づいた。

友達じゃないんだから、患者に「俺も」なんて言っちゃだめですよ。

と思った。

 

A先生は腰を伸ばすストレッチを教えてくれた。

姿勢よく座ると腰痛になりにくい、なんてことも言っていた。

ありがたい。

 

そして最後の診察からこの方、私はしばらくこの病院から遠ざかっていた。

理由は単純に、腰痛が発生しなかったからだ。

しかし、最近になってまた腰が痛くなった。

というわけで、再びこの病院へ行ったのだ。

 

A先生は相変わらず元気そうだった。

私の問診をした後、A先生は言った。

 

「じゃあ、次回は××日に来てくれる?この日は俺も来るからさあ」

 

カレンダーを見せながら私に言う。

私もカレンダーで確認する。

 

「あ、そうですか。じゃあ次回の診察は××日でいいんですね?」

 

私がそう言うと、A先生はカレンダーをもとの位置に戻しながら相槌を打った。

 

「うん、次回の俺の診療日は××日なんだ。」

 

そうか、××日か。

××日、っと。(心の中でメモする)

 

ん?

私はまたA先生を見た。

 

A先生。

相変わらず「俺も来るからさあ」という口の利き方か。

何じゃそれ。

私は患者だぞ。(←エラそう)

 

私は考えた。

整形外科という職業上、当然ながら(そして待合室を見ても分かるが)患者は高齢者ばかり。

多分、高齢の患者さんには、A先生は丁寧な口調で接客しているんだろう。

そうでなければ、年寄りにぶっ飛ばされるに違いない(いや、案外耳が聞こえないから大変かな?)。

 

ということは、私が若い(高齢者に比べて、という意味です)ので、こんな口の利き方なのだろうか。

「俺」じゃないでしょ、「私」でしょ。

A先生が私の部下なら、速攻注意するんだが。

 

ふむ。

A先生がなれなれしい理由は、3つ考えられる。

 

1.私が他の患者より年齢が下なので、ナメている。(って、老若は相対的なものだが)

2.A先生と私が同年代だから?(確信はないが、同年代かもしれないという推測です)気を許している。

(だからといって『俺』はないだろうが…)

3.A先生は、誰に対してもなれなれしい。(それも社会人としてどうかと思うが)

 

どれなんだろう。

「僕も」と言ってくれれば許せるのだが。

それとも「俺も」と言うことで、相手をリラックスさせようとしているんだろうか?

(そんな高度なことをやってるようには見えないけどね)

 

病院へ行った日は、ものすごく混んでいた。

年寄りでごった返していた。

 

で、診察室からちょいちょい大声が聞こえる。

どうも、薬の処方が分からない高齢の患者さんがいるらしい。

A先生は普段も元気な大声だが、耳の遠い患者さんのためにますます大声を張り上げている。

待合室まで筒抜けだ。

 

「そうそう。だからね、このお薬は一週間に一回でいいんですよ!」

「だから~このお薬は、一週間に、一回ですよ!」

「ええ、このお薬は一週間に一回ですよ!!!」

 

(…本当に大変だこりゃ)。

 

先月、家族に同行して別のクリニックに行く用事があった。

そこでも、耳の遠い高齢男性に対して、大声で何度も同じことを説明している女医さんを見た。

穏やかな女医さんでも、大声を上げるわけだ…。

まあ、仕事だから仕方ないんですけど。

本当にお疲れ様です。

 

最近、こういう場面が本当に多くなった。

耳の遠い患者さんに対して、お医者さんが必死に同じことを大声で繰り返している。

紙に書いたらどうだろう?

と思うのだが、そういうわけにも行かないんだろう。

 

もしかすると、A先生も今までは丁寧に?患者に対応していたが、疲れてしまったのかもしれない。

カジュアルにやって行かないと気疲れして、大勢の患者をさばき切れないのかもしれん。

 

だからもうどの患者も一緒くたにして、ざっくばらんに「俺もさあ」と対応しているのかも?

「俺も」じゃないだろ、なんだその口の利き方は!と思っているのは、私だけなのかも。

 

まあ、どうしても受け入れられないわけでもない。

一人称の「俺」。

気にはなる。

でもこうなったら、A先生はカジュアルな人柄なんだと思って受け入れるしかない。

 

でもさあ。

相手の一人称が「俺」だと、何だか友達としゃべっているような感じがして緊張感が抜けるんですよ。

他人を変えることはできないのは理解しているんだが、なんか妙な感じなんだよな。

 

ま、毎回この違和感と共生するしかないわけだ。

腰痛を治してくれればもういいや。と割り切るしかない。

 

「俺の診療日なんだよ」なんて言われてしまうと、「そうかいお前」なんて言いたくなる。

うっかりA先生を「お前」呼ばわりしないよう、こっちが緊張感を持って対応しなければ。

病院へ行って緊張するなんて変なのだが、こればかりは仕方ない。