イタリア映画「ひまわり」がどこかの映画館で再上映されるらしい。
ずいぶんと古い映画を再上映するものだ。
(1970年作らしいですよ)。
私はこの映画をスペインで見たことがある。
スペイン人のお宅に下宿していた時、ヒマを持て余したホストファザーが大量にDVDを借りてきたのだ。
その中の一つが「ひまわり」だった。
「ひまわり」のストーリーは、ずばり悲恋だ。
男はイタリアから戦争に出征し、女は彼の帰りを待つ。
周囲の人は「彼のことはもうあきらめたら」と言うのだが、彼女は彼を信じて待ち続ける。
あきらめきれない彼女は、帰らぬ夫を探しにソ連へ行く。
夫は現地の女性と結婚していた。
主人公を演じたのはソフィア・ローレン。
エンディングは画面いっぱいのひまわり畑。
だからこそのタイトル「ひまわり」なのだ。
色々意味があるんだろう。
どうして今になって、こんな古い映画を上映するのか。
それは、そのひまわり畑がウクライナで撮影されたからだそうだ。
なるほどねえ…。
知りませんでした。
ひまわりの種(スナックとしても食べますよね)は、ウクライナの特産物だそう。
さすが農業国だ。
映画「ひまわり」に出てくるように、ウクライナには広いひまわり畑があるんでしょうね。
ニュースで読んだが、ウクライナに侵入した若いロシア兵に、食ってかかった地元のおばちゃんがいたらしい。
「なんでウクライナに来たのよ?!」
と激しく問い詰め、しまいには捨て台詞。
「ポケットにひまわりの種を入れておきなさい。
あんたが死んだら、種から芽が出て、ひまわりの花が咲くでしょう。」
こんなことを見知らぬ中年おばさんにきつい口調で言われたら、私なら泣いちゃうよ。
そのロシアの若者だって、好き好んで戦争へ来たのではないだろう。
ウクライナ侵攻が始まって、はや1週間が経つ。
すでにロシア軍の死者数は7,000人に上るという。
当然、ウクライナ側の死者はそれを上回る。
どの兵士にもお父さん、お母さんはいるし、恋人や友達、妻や子がいるだろう。
戦争はウクライナだけでなく、ロシアにだって悲しみをもたらすはずなのだ。
ウクライナへは行ったことが無いのだが、私はスペインでひまわり畑を見た。
見たのが夏の終わり(大学の学期開始に合わせて渡航したからですね)。
だから、ひまわり畑のひまわりはすでに枯れていた。
枯れたひまわりの花が、うつむくように地面をむく。
秋の静かな光に照らされた広大な畑に、たくさんの枯れたひまわりが立ち尽くす。
寂しい以外の何物でもない。
多くの人の命が散ったウクライナに、イメージが重ならないでもない。
イタリア映画ではあるが、「ひまわり」。
私も久々に見返してみたいなと思っている。
ひまわりは最も好きな花というわけではないんだが、ちょっと思い入れがある。
昔、職場である部署から別の部署へ異動するとき、同僚たちから送別の花束をもらった。
その中に小さなひまわりの花があった。
私のイメージが、明るく元気なひまわりだから、というのが理由だった。
私は、ブログの読者の皆さんならすでにお気づきかと思うが、明るく元気な人間ではない。
むしろ逆だ(笑)。
しかし、職場の人には親切に?対応することを心掛けていたので、そういうイメージを持ってくださったのだと思う。
というわけで、ひまわり。
しかしなあ。
ひまわりの花はもっと明るい話題につながってほしかったな。