オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

表彰

 

ここ二、三年の「今年の目標」の一つが「表彰されること」だ。

「何かのコンテストとかで入賞して表彰される」機会があるといいな、という意味だ。

 

自慢じゃないが、私は表彰式というものに長らく出席していない。

何かで入賞したとか、表彰されたとか、そんな晴れの場から長年遠ざかっているわけだ。(悲しい)

 

「何かを受賞する」ということは、他人から評価されるということだ。

そんな機会があると、人生の励みになるかな?

と思って、「今年の目標」の一つに掲げてみたわけだ。

 

二年、いや三年前からの目標だったろうか。

以来、毎年掲げている。

 

表彰されることなんてめったに無い。

なぜ表彰されないのかというと、何にも応募していないからである。

応募していなければ入賞もしないのは当然。

 

いや、「溺れそうになった人を、水に飛び込んで助ける」なんて行為でも、表彰されるはずだよね?

しかし私は泳げないし、人助けをするほど勇気もない。(←どうしようもない)

 

この目標を今年こそ達成しよう。

と、自分にも応募できそうなコンテスト(サラリーマン川柳とか?)を毎年探していた。

しかし何に対しても才能がない自分。(おまけに怠け者ときている)

応募できそうなコンテスト自体が無い。

困った。

 

このままでは「今年の目標」がまた一つ達成できない。

毎年この目標を掲げているのは、毎年達成できないからだ(笑)。

もう今年でやめようか、この目標…。

 

と思っていた矢先。

私の元に宅配便が届いた。

 

ん?何だろこれ?

通販をオーダーした覚えはないし。

誕生日でもないし。

何かを受け取る予定はない。

 

不審に思って、内容物の記載を確認した。

内容物:賞状、副賞。

 

賞状?

 

私は目を疑った。

賞状って、何のコンテストにも応募してないんだが。

なんだろ?

 

もし、駄作でも何かに応募していたら「も、もしや入賞?(ドキドキ)」といううれしい驚きが味わえたはず。

だが、何度も言うが、何にも応募してないんだから入賞するチャンスなんてあるわけがない。

なのに賞状?

 

私は考えた。

 

うっかり開封してしまって、他人の賞状だったらマズイ。

または、うっかり開封してしまい、

「開けたから●●円よこせ」

みたいな新手の犯罪かもしれぬ。

 

しかし…。

何度も見るが、私の名前と住所、ご丁寧に電話番号まで記載してある。

うむむ…。

他人の間違いとしても、念が入り過ぎている。

 

私はさらに考えた。

昔、駄作の小説を出版社に送ったことがある。

も、もしや表彰状ってそれかな?(ドキドキ)

と一瞬思ったが、あの駄作はご丁寧なお断り状と共に、返送されてきたっけ…。

違うか。

 

さんざん考えてみたが、身に覚えがない。

人生にチャレンジしていない人間は、うれしいサプライズも無いのである。

 

私は送付元に電話することにした。

開封前に、郵便物が本当に自分宛かどうか確認しておかないと、開封後に厄介なことになるかもしれん。

開封していない状態なら、そのまま送付元に送り返せばいいわけだ。

 

すると。

それはスペイン語検定試験の成績優秀者に発送された賞状だ、ということが判明した。

 

私は受話器の向こうから聞こえる先方の説明を聞いて、驚いた。

スペイン語

それは、去年受験した。

今年の4月になって、賞状発送?

 

スペイン語検定、受験しましたか?」

と聞かれ、しました…と答えるしかない。

 

受話器を置いて、宅配便を再度眺める。

そうか、この宅配便はやっぱり自分宛だったのかい。

 

開封して見ると、表彰状だった。

副賞はスペイン語の勉強本だった(ありがたい)。

 

なぜ私が選ばれたのかよく分からんが、賞状は何度見ても自分の名前になっている。

謹んで受け取らせていただく。

それにしてもまた、唐突に表彰状が送付されてきたなあ。

 

その後。

西検協会からメールがあった。

2021年度のスペイン語検定試験合格者の中から、成績優秀者に賞状を発送したのだという。

これで最終的に納得した。

(多分、賞状の発送とメールが前後してしまったんですね)

 

メールは続いた。

「…本来は授賞式を開催するところではありますが、新型コロナウイルス感染症対策のため、発送をもって代えさせていただきます。」

 

そうか。

本当は「授賞式」が開催されるはずだったのだ。

 

表彰されることなんて、私の人生にはそうそう発生しない。

なら、授賞式には奮発してちゃんとした服を買って臨みたかった!(←ただの思い出作り)

 

くそ~コロナめ。

と思ったが、何度読んでもうれしい「おめでとうございます」の文字。

コロナさえなければ、私も(久しぶりの)晴れ舞台だったはずなんだが。

 

という顛末だった。

 

やっぱり、誰かに評価されるのは無条件にうれしい。

最近は腰が痛くて低空飛行気味だったが、今日は天にも昇る思いだ。

 

たった一枚の表彰状であってもこんなにうれしいのだから、芥川賞とかノーベル賞を取ったらどんだけうれしいんだろうか。

これを励みに、サラリーマン川柳でも何でも応募してみよう、と改めて思った次第です。

 

ところで。

 

「表彰される」って目標が達成されただけでもうれしいのだが。

表彰されること自体、自分の努力を認められたような気がして、生きる励みになりますね。

また駄作の小説でも書いてみるか!(←スペイン語勉強しろよ)

 

スペイン語を勉強したのは大学でだ。

スペインへ留学してから、だいぶ長い月日が流れた。

「いつかはスペイン語を使って仕事をしたいなあ」

そう思い続けてきたまま、さらに月日が流れた。

 

この年齢になって、人生の伏線を回収しなくちゃ!と思うようになった。

「いつかキューバとか南米で仕事」と思い続けてきたけれど、自分が意思を持ってそっち方面へ寄せて行かなければ「いつか」は何年経っても来ないものだ。

 

スペイン語は、「回収してこなかった伏線」の一つだ。

勉強して上の級に合格しておけば、スペイン語を使った仕事が回ってきたときに乗っかるチャンスもある。

そんな下心で勉強を再開したのだ(コロナでヒマになった、というのもある)。

 

長年サボっていた勉強を再開して表彰されるなんて身に余る光栄だし、サボっていなければもっと良い人生だったかも(笑)なんて思ったりする。

だから、「やりたいこと」は早く手をつけておけばよかったのだ。

ま、遅くてもやらないよりマシだ。Better late than never.

 

これで無事達成した、三年越しの「今年の目標」の一つ。

やりたいことがあるなら人生何歳になってもあがいてみたほうがいい。

あがいていると吉報も(たまには)来訪する、ってことでしょうか。