オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

アニソン

 

先日、テレビで「マツコの知らない世界」を見た。

アニメだけでなくアニソンも海外で人気がある、とかいう内容だった(見た方はいますでしょうか)。

 

私が「マツコ」の番組でなるほどなあ、と思ったことがある。

それは、フィリピンでの「ボルテスV」人気だ。

 

これは古いロボットアニメだ。

昔(っていつだよ)はロボットアニメ全盛期?だったのか、ボルテスVもその一つ。

しかし、たくさんあるロボットアニメの中で、なぜよりによってボルテスV

 

ボルテスVは翻訳されて海を渡り、フィリピンでテレビ放映されていたらしい。

私がこの事実を知ったのは相当前だ。

以前の職場にいたころ、フィリピンからの農業研修生が来日することになった。

私が彼らの研修を担当することになった。

 

フィリピン人は多分、日本人にとっては相当接しやすい国民だろう。

私はフィリピンへ行ったことが無いのだが、それでも彼らとの仕事はか~なり楽だった。

英語は分かるし、食事制限も基本的には無いもんね(南部出身者は一部イスラム教徒がいたが)。

 

気遣いが日本人にとても似ているが、国民性は正反対。

歌って踊れる?明るい人たちだった。

 

研修先へ移動するバスの中で、カラオケさながらアメリカポップスを熱唱する研修員たち。(歌好きらしい)

やっぱり英語の分かる国民は違うよねえ~と私は思っていた。

 

ある日。

いつものように研修が終わり、フィリピン人研修員たちとバスでの帰路。

疲れたなあ…と私はバスの背もたれに体を沈めた。

 

仕事で同行している私にとっては、長い一日の終わりだ。

やれやれ、今日も無事に終わったよ。

しかし研修員にとっては、研修が終わったこれからが楽しい?夕食と自由時間なのだ。

日本に滞在できる時間も短いし、楽しまなくっちゃ!って感じだった。(エネルギー余ってんな)

 

また、いつものようにカラオケ大会?さながら、歌を歌って帰るんだな…。

と思った。

すると疲れている私を見て、彼らが口々に言い始めた。

 

「今日は日本の歌を歌ってあげる!」(いや、歌ってくれなくてもいいんだが)

「僕たち、日本の歌を知ってますよ!」

 

日本の歌、と言われて私は想像した。

小学校で習うような文部省唱歌かな?

「むすんでひらいて」とか「さくら、さくら」とか?

あるいは英語圏の人でも知っている坂本九「スキヤキ(上を向いて歩こう)」?

ま、何でもいいけどね。(←もう、疲れてるし)

 

しかし、想像とは違った。

「日本の歌を知っている」とフィリピン人たちが得意になって歌い始めたのは、「ボルテスV」のオープニングテーマ曲だったのだ。

 

「ちきゅうの~夜明けは~、も・う・近い♪」

 

大声で気持ちよく歌うフィリピン人たち。

日本語の発音も完璧。

歌詞も一言一句正確だ。

面食らう私。(なんだこりゃ?)

 

「この曲知ってますか!?」

「ボルテスVですよ~!」

 

フィリピン人研修員たちが、先を争って私に言う。

(多分、日本人が喜んでくれるだろうと思っているんだろう)。

しかし、私は混乱していた。

 

(フィリピン人がなんでボルテスV?)

(これが彼らにとっての「日本の曲」なのか?)

文部省唱歌じゃなくアニソンじゃねえか!!!)

 

「皆さんすごいですねえ…」

よく分からないが、私はほめた。

すると彼らは調子に乗った。

 

「フィリピンでは有名なアニメですよ!」

「もっと日本の歌を歌えます!」

「ザンボットⅢを知ってますか~?」

 

「…」(←絶句)。

 

ザンボットⅢもロボットアニメだ。(私だって日本人だから知ってるぞ)

しかし、なぜアニソンを知ってるのだ、君たち。

 

結局、宿泊所に到着するまでフィリピン人たちは気持ちよ~く「ザンボットⅢ」のテーマ曲を繰り返し歌ってくれた。

日本人の私が歌えない歌を、得意になって歌うフィリピン人たち…。(複雑)

 

(心の声)

日本のアニメって英語に翻訳されて放送されているんじゃないの?

歌詞は英語じゃないのか?

彼らは日本語を知らないのに、歌詞を覚えられるのか?

(いろいろ頭が整理できない)

 

理解不能だったが、「フィリピンと言えばロボットアニメ」という印象は強烈に私の頭に残った。

フィリピンで無銭飲食とかやる羽目になったら(そんなことが起きないことを祈るが)、ロボットアニメのアニソンを歌って許してもらおう、と思っている。

 

で、肝心のボルテスVだ。

マツコの知らない世界」で紹介されていたのは、フィリピンでのデモでボルテスVのテーマ曲をデモ参加者が歌う場面だった。

「歌詞が未来志向だから」と説明されていたが、たぶんそうではないんじゃないだろうか。

 

子供のころからみんなボルテスVを見ていて、テーマ曲を知っている人が多い。

学校へ行っていない子どもだって、誰かの家から流れてくるテーマ曲を覚えているかもしれない。

一致団結するために、みんなが知っている歌を歌って士気を高めているんじゃないだろうか?

 

さらに。

フィリピン国家警察の就任式。

バックグラウンドミュージックは、なんとまた「ボルテスV」。

「警察は正義の味方」ということだかららしい。

 

ここまで来るともはや、「他人のふんどしで…」ってヤツだ。

いろいろツッコミどころ満載である。

 

大人になって見ると、当時のアニソンはレベルが高くて驚く。

子どもの頃、こんなに覚えやすいメロディのアニソンを浴びるように聞かされていた我ら日本人。

これだけキャッチーな曲を毎日聞いていたら、そりゃ覚えるよ。(←少なくても私の頭にはガッツリすり込まれているぞ)

 

しかも、ロボットアニメのアニソンはイントロも印象的だし、サビも盛り上がる。

テレビの前のちびっ子たちがワクワクするような、カッコいい曲が多いのだ。

 

それでも不思議じゃないですか?

なぜ海外のアニメファンが『日本語で』アニソンを歌えるのか?

 

マツコの知らない世界」で指摘されていたのは、「日本語の発音の簡単さ」だ。

他の言語に比べると、日本語は(文字や筆記は難しいが)発音はシンプル。

母音は5つしかないし、複雑な発音が出来なくても発音できる。

だから日本語のアニソンの歌詞を覚えてしまう人が多いのだそうだ。

 

海外では公用語がいくつもある、なんて国の人もいる。

そういう人たちは語学の達人なわけだ。

発音のカンタンな日本語なんてすぐに覚えちゃうのかもね。

 

こうやって、海外のアニメファンは、日本語が理解できなくてもアニソンを覚えてしまうという。

しかも、日本のアニソンは89秒で盛り上がって収まるよう、うまく作り込んでいるのだとか。

曲が短くて分かりやすく、歌詞も簡単。

なら、歌えるようになるまで時間はかからないだろう。

 

YouTubeでは、日本の曲(アニソンに限らず)を歌ってみた!という海外の方も多い。

これは、やはり「マツコ」で指摘されていたように、日本語の発音が簡単だからだろう。

これだけ世界の人が「簡単」だと思うような日本語なら、他国でも公用語にしてほしいものだ。

 

ちょっと脱線させてほしい。

私は常々思うのだが、空港にどうしてカラオケが無いのだろう?

空港って、フライトが遅れたりキャンセルになったりして、余った時間を持て余す人が多い。

空港の片隅に1100円くらいで使えるカラオケボックスがあれば、歌好きのフィリピン人なんか喜ぶだろうに。

 

もちろん、カラオケの曲にはアニソンも含めてほしい。

そしたら次の飛行機を待つ長い時間も苦にならない。

 

いや、熱唱しすぎて逆に乗り過ごしてしまう人も出そうだ。

だから空港にカラオケを置かないのだろうか?

 

カラオケタクシーなんかもあるくらいだから、歌いたい人はいるはず。

ぜひ「乗客の時間つぶし」策に検討していただきたい。

と空港を利用するたびに思っている。

 

ま、これからは英語が上手じゃなくてもアニソンが歌えれば、海外の人と仲良くなれる時代が到来した、ってことなのかもしれない。

羽田空港のカラオケで、アニソンを熱唱するフィリピン人が見られる日も近いんじゃないだろうか。