最近、通販でトイレカバーを買った。
トイレカバー、つまりトイレのふたのカバーだ。
それと一緒に、便座カバーとトイレスリッパも購入した。
長年使用している今のものが、ゴムが伸びてきてだいぶくたびれてきたからだ。
「ネットで申し込んだら早く届くから、ネットで注文しといてね。」
親は長年、ファックスで通販の注文を出していた。
ある時、私がネットで注文してあげたら、思いのほか早く商品が届いた(らしい)。
それに味をしめ?早く品物が欲しい時は「ネット注文してくれ」と私に頼むようになった。
親の指示通りに、私はトイレカバー、便座カバー、そしてトイレスリッパをネット注文した。
トイレカバーも便座カバーも、安い割に厚手でもこもこ。
見た目も豪華だ。
いいんじゃないの。
この通販会社はたまに私も買う。
なので、私の名前で注文を出した。
商品が届いた。
商品の梱包を開け、カバー類を装着すべくトイレにこもった親。
しばらくすると、文句を言いながらトイレから出てきた。
トイレカバー、便座カバーがうまく装着できないのだという。
仕方ないので、私がやるはめになった。
便座カバーは四苦八苦しながらもなんとか装着。
便座カバーは確かに取り付けづらいよね。
トイレカバーの方が楽勝だ。
だって、トイレのふたにすぽっとかぶせたらいいんでしょ。
と思っていたら、こっちが難敵だった。
いくらやっても既存のふたにカバーが入らない。
十分ほど頑張ってみたが、どうにもこうにもならない。
商品が小さすぎるのだ。
「サイズ、間違えたんじゃない?」
と尋ねると、親は口をとがらせて言う。
「いや、これでいいはずなんだけど。だってサイズも計ったもん」
とうとう親もボケ始めたか…。
内心そう思いながら、親の持ってきた通販カタログの該当ページを見る。
見ると、そのページに掲載されているトイレカバーには2種類ある。
一つは「スタンダードサイズ」、もう一つは「特殊サイズ」。
我が家のトイレのふたを計ってみると、確かに「スタンダードサイズ」だ。
なので、親は「スタンダードサイズ」のトイレカバーを選んだのだ。
ふうむ。
寸法は間違いなし、と。
なら、このカバーで問題なく装着できるはずなのだが?
不思議に思いつつ再度、トイレのふたに買ったカバーを装着しようと試みる。
なんてったって寸法は間違いないわけなんだし、入らない方がおかしい。
しかし。
これが、どう頑張っても入らなかったのである。
伸縮性に欠ける厚手の生地のせいなのか、それとも我が家のトイレのふたの形状に問題があるのか。
長時間頑張ったが、あきらめるしかなかった。
じゃあどうするか。
返品しよう、と親が言う。
まあ、それしかないよね。
親に指示されて、「返品理由」を返品票に記入し始めた私。
すると、親があることに気づいた。
「返品不可、って書いてあるよ!」
返品票を見ると、そのトイレカバーは「返品不可」商品になっていたのである。
親曰く、「自分の名前で発注していたら返品が無料だったのに、云々」
いや、無料以前に「返品不可」なんだよ!!
返品不可なので、その「スタンダードサイズ」のトイレカバーを我が家で引き取るしかない。
たぶん、トイレ用品は不衛生という理由で返品を受け付けないんだろう。
そして、「特殊サイズ」の大きめのトイレカバーを新たに発注することとなった。
「スタンダードサイズ」のトイレカバーが返品できず、ふてくされる親。
そもそもふたの寸法に合った商品を注文しているのに、それが装着できないのも納得いかないらしい。
仕方なく、私が再びネットで「特殊サイズ」を注文することになった。
納得いかない親が「今度は自分の名前で」と主張し、親の名前で発注することになった。
そして数日後。
「特殊サイズ」が届いた。
「スタンダードサイズ」より大きめ。
今度はちゃんとトイレのふたに装着が出来た。
そこで「返品不可」となった「スタンダードサイズ」のトイレカバーがどうなったのかというと。
隣宅(Nさん)の猫がたまに我が家に遊びに来る。
猫がくつろぐために、古いタオルなどを入れた段ボールが我が家に置いてある。
その箱の中に、装着できなかった「スタンダードサイズ」のトイレカバーが敷いてあった。
まあ、汚くはない…と思う。
だって未使用なんだし(装着は試みたので、未使用とも言い切れないが)。
そして、再び事件は起こった。
親とのすったもんだから、さらに数日経ったある日。
私は通販会社から妙なメールを受け取った。
「商品を発送しました」
ん?
まだ何か発注していたっけ?
記憶にない。
もしかして、発注したトイレカバーの確認メールが誤送信されてきたのかもね。
などと思って、特に注意を払わなかった。
すると、届いたのである。
3つ目のトイレカバーが。
一体これは何に使うんだろう?
帰宅した親に聞いたが、自分はファックスで発注していないという。
宛名を見ると、確かに私宛になっている。
1つ目のトイレカバーが装着できなかった際、親ともめた。
「特殊サイズ」のトイレカバーを発注するのかどうか決める時だ。
自分の名前で発注すれば返品が無料になる、と信じ込む親。
私の名前でネット注文すれば早く商品が届く、と思う私。
最終的に親の名前を私のアカウントに追加し、注文した。
あれがまずかったのだろうか?
親と私の両方からトイレカバーを注文した形になってしまったのだろうか?
よく分からん…。
3枚もトイレカバーは必要ない。
仕方なく、返品することにした。
そして、返品票を見て気づいたのである、これも「返品不可」であることに。
同じ製品だから当たり前なんだが。
一度も商品の包装を開けていない。
それでも「返品不可」なのだ。
発注ミスなので客(つまり私)のせいである、と言われればそうだ。
しかしねえ。
間違いに決まってるじゃん。
同じトイレカバーを3つも注文する人なんていませんよ(←ここに一人いるけどね)
一度もトイレカバーの梱包を開けていないので、3つ目を返品できないのは納得できない。
しかし、「未使用だ」とかウソをついて返品する客もいるんだろう。
そういう不届き者対策として、トイレ製品は全て返品不可にしているのかもしれない。
そういうわけで、不本意ながら3つ目のトイレカバーの代金も支払うことになった。
自分でも何に腹が立つのか分からないが、いろいろ腹立たしい。
なので、自分を納得させるために「自分が家を購入したら、そこのトイレにこのカバーを装着しよう」と思うことにした。
一体いつになったらそんな夢がかなうのやら…。
というわけで、この失敗から学びたい。
どこでこのミスは防げたのか(二度と繰り返さないためにね)。
通販会社から「商品を発送しました」というメールが来た時点で対応しても、もう遅い。
2つ目の「特殊サイズ」発注時の親とのゴタゴタで、どういうわけか2つ目、3つ目を発注してしまったのかもしれん。
振り返って考えると、「あの時どうしたっけ?」という不明点が多々出てくる。
2つ目を注文したときに、支払う価格も確認したような記憶があるんだが、そこもあやふやだ。
自分が不注意だったのかもしれないが、同じ色のトイレカバーが3つもある状態には笑ってしまう。
というわけで、読者の皆さんには本当に注意していただきたい。
「返品不可」商品を発注する際は、本当に気を付けてほしい。
そして、どの商品が「返品不可」なのかも注意して見てほしい。
とはいえ、我が家だってトイレのふたの寸法を測って「スタンダードサイズ」サイズを注文したんだけどね。
もう、「スタンダードサイズ」のトイレカバーは猫のベッドになっているから、そこは深追いしない。
今では、Nさん宅のシロがゴージャスなトイレカバーの上ですやすや眠っている。