オレンジの花と水

ブログ初心者の日記風よみもの

パートタイム

 

早いもので、4月ももう2日を過ぎた。

相変わらず山のように業務がある、というより、闇のように先が見えない。

土曜日も出勤しておる。

エンドレス残業…。

 

そんな中、ドイツのマルちゃんから連絡が来た。

最近おとなしいなあ、と思っていたら、なんとコロナになったという。

 

彼女の誕生日は3月だ。

今年も夫と2人で誕生日を過ごすべく、素敵なホテルに宿を取り、優雅な食事を楽しむ予定だったんだと。

いいですなあ。

 

町の名は忘れたが、ホテルの写真を送ってくれた。

そして、2人が泊ったその素敵なホテルで提供された食事のメニューも教えてくれた。

(なぜか知らぬが、彼女はおいしい物を食べると毎度毎度私に写真を送ってくれる。

懇切丁寧にメニューも教えてくれる。)

 

彼女は分かっているのだろう、私がおいしいものの情報を喜ぶってことが。

悔しいが、事実だし仕方ない。

それにしてもおいしそうだ。

ドイツ料理っておいしそうなイメージが無いのだが、やはり高級ホテルだけのことはある。

そんなディナーの写真だった。

 

で、そのホテルに泊まり、素晴らしいディナーを夫と共にしていた時のこと。

頭痛。

発熱。

吐き気。

悪寒。

 

なんだかおかしいぞ、ということで豪華な食事を早々に切り上げ(もったいない)、部屋に戻った。

しかし、横になっても体調の悪化は止まらない。

やむなく豪華ホテルの滞在を切り上げて(ますますもったいない)、帰宅した。

翌日には夫も発熱が始まったのだという。

 

病院へ行くと案の定。

コロナに感染していることが分かったのだという。

 

「まさか今頃、コロナになるとはね。

もう、コロナなんて終わったと思ってたよ。(欧米では特にそうだよね)

だってワクチンだって何回も接種しているのに。

あれだけ気を付けていた私が、ね!」

 

…だよね。

 

マルちゃんの話を聞いて私も思った。

私の周囲でも、コロナに罹患する人は今までいなかった。

でも、いつ自分も感染するか分からない。

だから、うがい手洗いマスクを励行し、ワクチン接種するしかない、とずっと心掛けていた。

 

そして3年が過ぎ、さすがに世界も日本も「コロナ終息」へ向かっている…と思っていた。

その矢先。

 

昨年12月。

職場では、私の隣の隣の机にいる同僚がコロナ感染。

そして、3月は隣の席の同僚と、向かいの島にいる上司2人が感染した。

(彼らが10日間休んだ間、私らは鬼のように仕事が忙しかったわけだが)。

 

上司たちが感染したのを聞いて思った。

コロナ終息、と思っていたのに、今さら感染するんかい。

 

が、ドイツでも、今頃感染する人がいたわけだ。

ホント、油断できませんね。

 

マルちゃんは、そういうわけでしばらく寝込み、出勤停止になった。

 

「大変だったね。

でもさ、日本も年度末で大変なんだよ。」

 

私はそう言って、私の苦境(ワンオペ地獄)について語った。

すると、マルちゃんはこんなことを言い始めた。

 

「ええっ?

もしかして、まだフルタイムで働いているの?」

 

まだ?

まだ、とは?

私は面食らった。

 

「まだ」フルタイムで働いているの?とはどういう意味なんだ?

日本は65歳定年なんだから、「まだ」フルタイムで働いているに決まっているじゃん。

65歳までまだまだ長いんだからさ。

 

するとマルちゃんは、あっさりと言い放った。

 

「私はもう、週3日しか働いていないのよ。

1週間に22時間勤務ね。

それ以上は無理。

だって、それ以上働くと家事が出来ないもん」

 

なんですって??

一週間に3日しか働いてない?

それじゃパートタイムじゃん。

 

いつから彼女がパートになったのか知らんが、いくら私より年上と言ってもまだ50代。

なのに週3日勤務とは。

家事が優先?

何を言っとるんだ?

 

日本人なんか、50代でパートタイマーなんて優雅な生活をしている人はいませんよ。

50代だろうが60代だろうが、フルタイムで働き、その上死ぬほど残業してるのよ。

そして鬼のような残業をこなした後に、夫&子&姑(もしくは孫)の食事の支度をしてるんだよ。

おい…。

 

比較してはいけないのだろうが、ため息が出る。

マルちゃんも夫も公務員である。

地下1階、地上3階の自宅に住み、LDKには暖炉もある。

子どもが2人いて、大きな自家用車を持ち、前述の通り誕生日には豪華ホテルに泊まる。

年に2,3度はスペインのカナリア諸島マジョルカ島でバカンスだ。

残業もない(←ここがポイント)。

 

「私たちはお金持ちではない。

普通だよ」

 

というのだが、どこが普通なんだよ。

 

日本なんて、地上2階建ての家を買うだけでも大変なんである(私だけ?)。

まとまった休みが取れないし、カナリア諸島でバカンスなんぞ楽しむ余裕もないわけだ(私だけ?)。

休んでいても、上司からメールや電話が来る(ホント、やめてほしい)。

 

たぶん、ドイツで働いていたら日本の職場なんか絶対に適応できないだろう。

家事を優先するためにパートタイム、なんてありえない。

夫も自分も、残業で疲れ切って毎日ギスギスしているのが常態化しているのだ、日本の家族は。

 

比較してはいかんのだが、日本の方がドイツよりはるかに給料が安いのに、はるかに残業は多い。

ってことは、日本は本当に生産性が低くて、国際競争力が無いんだろうなあ。

 

「週22時間しか働いていない」とマルちゃんに言われ、どっと疲れが出た。

だってですよ。

3月は本当に大変だったんですよ、私は。

ワンオペで毎日走り回って、それでも毎日問題が噴出して、家に帰ると疲労困憊で。

 

あーあ。

人間を不幸にするシステムだな、日本の職場は。

って思ってしまった。

 

たぶんこういうのが嫌で、今の若者は海外で働きたがるのかもですね。

私だって20代だったら、そして良い仕事が海外にあれば、当然そうしている。

 

失われた30年…とか聞くが、政治家は相変わらずおじいさんばかり。

子育て支援会議の出席者も高齢男性政治家ばかりだしね。

そりゃ、若い人が日本にいたら気持ちが暗くなるよ。

 

マルちゃんが、よりによって誕生日にコロナになったのはかわいそうだが、

まだ若いのに週22時間しか働いてないのかい…と分かって、ちょっと悔しかった。

もう、はっきり言ってしまおう。

はい、ドイツがうらやましいです。

 

私だって、週3日勤務で生活できるんなら、働きませんよ。

それにしても、ドイツは少子化とかの問題はないんですかね。

 

週3日勤務で生活できるってことは、やはり住みやすい国なのかもですね。

あーあ、うらやましいなあ…と、残業でへとへとになっている私は思いました。

ホント、どうにかしてくれよ、長時間労働&超激安給料。って思いませんか?